問題
Backup Exec のパフォーマンスの向上とトラブルシューティング
解決方法
詳細:
パフォーマンスの向上
バックアップ操作はシステムのグループ内で実行します。このようなシステムは、データを格納するディスクからバックアップ先に至るまでのサイズが変化するパイプラインにたとえることができます。こうしたパイプの一部に狭い部分があると、それがボトルネックになり、バックアッププロセス全体の速度が低下します。この文書の目的は、バックアップ (またはリストア) のパフォーマンスの問題の原因となっているシステム内の 1 つ以上のボトルネックを特定することです。
多くの可変要素がバックアップとリストアのスループットパフォーマンスに影響する可能性があります。このような要素を次に示します。
ハードウェア
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- テープデバイスが 68 ピンの Wide SCSI ケーブルコネクタに接続されている場合、[Initiate Wide Negotiation]が[YES]に設定されている。
- テープドライブが SCSI RAID コントローラに接続されていない。
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システム
メモリ
ファイルの種類
圧縮
ファイル
ブロックサイズ
ネットワーク
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- ネットワークカードの品種やモデル。
- アダプタのモード設定またはフレームの種類の設定。
- 接続装置 (ハブ、スイッチ、ルーターなど)。
- Windows の設定。
- 通常、メディアサーバーのローカルディスクドライブは、ネットワークを介してリモートサーバーをバックアップする場合よりも高速でバックアップされます。
ネットワークバックアップの速度が低下する一般的な原因として、ネットワーク設定が考えられます。
「全二重」や「自動検出」などの機能は、すべての環境で完全にサポートされるわけではありません。サーバー側の速度を 100 MB に、多重化を半二重/全二重に手動で設定します。サーバーがスイッチのどのイーサネットポートに接続されているかを確認し、「スイッチポート」の設定を 100 MB、半二重/全二重に設定します。バックアップサーバーのスイッチポートとバックアップ対象マシンの任意のスイッチポートについて、この作業を行います。
メモ: スイッチの代わりにハブを使用する場合は、全二重をサポートしない可能性があります。デバイスの機能について詳しくは、OEM (Original Equipment Manufacturer) に確認してください。
メモ: スイッチとネットワークカードの両方の設定は一致する必要があります。たとえば、スイッチポートが 100 MB 半二重に設定されている場合は、サーバーの NIC も 100 MB 半二重に設定してください。
全二重のバックアップが半二重のバックアップより低速の場合は、NIC、ドライバ、スイッチの組み合わせが全二重をサポートしない可能性があります。最新のドライバ、ファームウェア、またはその他のサポート情報については、NIC とスイッチの製造元にお問い合わせください。
別 の一般的な原因には NIC ドライバがあります。NIC ドライバは、オペレーティングシステムの Service Pack によって簡単に上書きされることがあります。Service Pack がインストールされてドライバが上書きされた場合は、OEM ドライバを再インストールしてください。
デバッグ
[サー ビス (Services)]アプレットを使用して実行されているデバッグは一時的なものであり、サービスを再起動するかマシンを再起動するとデバッグが停止します。Windows レジストリを使用して設定したデバッグは、連続デバッグが可能です。サービスをデバッグモードのままにすると、ログが作成されます。このため、問題が解決したらサービスのデバッグモードを終了し、古いデバッグファイルを削除するか、ログディレクトリを圧縮するように設定することをお勧めします。システム上でデバッグをどのように実行するかを決定する場合は、このことに留意してください。
デバッグを無効にする方法について詳しくは、「関連文書」を参照してください。
Backup Exec データベース
パフォーマンスの問題のトラブルシューティング
以下の手順でトラブルシューティングを実行すると、Backup Exec のパフォーマンスを向上させることができます。必要なシナリオを参照してください。次のシナリオがあります。
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- ディスクへのローカルバックアップ
- テープへのローカルバックアップ
- ディスクへのリモートバックアップ
- テープへのリモートバックアップ
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ディスクへのローカルバックアップ
2. 問題を絞り込みます。1 つのジョブで複数のドライブまたはエージェントをバックアップする場合は、このジョブを該当するドライブとエージェントごとの個別のジョブに分割します。たとえば、バックアップジョブが C、D、E、および Exchange エージェントをバックアップする場合は、4 つの別々のジョブ (C、D、E、および Exchange のそれぞれに 1 つずつ) を作成します (このためには、[バックアップ (Backup)]をクリックし、C$ ドライブを選択して[送信 (Submit)]をクリックします。ドライブとエージェントのそれぞれについてこの手順を繰り返します)。特定のジョブのみに時間がかかる場合は、引き続きこのジョブのトラブルシューティングを行います。
3. 問題を絞り込みます。1 つのジョブだけに時間がかかる場合は、このジョブをさらに分割し、特定の部分のデータがパフォーマンス低下の原因になっていないかを確認します。特定のデータセットが問題として特定される場合は、以下を実行してください。
データが他の場所にリダイレクトされていないことを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートでデータをマウントできます。このディレクトリ内のファイルはリモートサーバー上に存在しており、そのためにバックアップ全体の速度が低下している可能性があります。
このバックアップセクションに多くの小さなファイルやディレクトリが存在していないかを調べます。多くの小さなファイルやディレクトリが存在するとバックアップの速度が低下するため、この状況が予想されます。
4. B2D ディスクのスループットをテストします。B2D ディスクへのバックアップジョブに含まれる少なくとも 2GB のデータのWindows コピー (1 つのドライブから別のドライブへのドラッグアンドドロップ) を行います。バックアップのパフォーマンスと比較します。パフォーマンスが同等の場合は、ボトルネックは B2D フォルダが存在するディスクサブシステムと考えられます。B2D フォルダをより高速のディスクサブシステムに移動するか、またはディスクサブシステムのトラブルシューティングを続けます。
5. システムのスループットをテストします。NTBackup (Windows のバックアップ) で同様のバックアップを作成し、ディスクへのバックアップを実行します (ファイルベースのバックアップのみが実行され、Exchange、SQL、またはその他のデータベースはバックアップされない場合)。NTBackup を起動するには、スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択し、「ntbackup」と入力します。ジョブを比較します。Exchange、SQL、またはその他のデータベースを Backup Exec でバックアップする場合は、エージェントが常駐する場所で 2GB のデータをバックアップする Backup to Disk ジョブを Backup Exec 内に作成し、NTBackup と同じテストを実行します。Exchange がローカルな場合は ntbackup を使用して Exchange をバックアップし、パフォーマンスを比較することができます。パフォーマンスが同等の場合、Backup Exec のパフォーマンスはシステムの規模によります。
テープへのローカルバックアップ
1. ベースラインを取得します。古いジョブログを確認し、前のジョブの速度とバックアップの総所要時間をメモします (Backup Exec の[ジョブモニター (Job Monitor)]タブを表示し、一番下にある[ジョブ履歴 (Job History)]ウィンドウでジョブログを選択)。実際のバイト数による速度の代わりに、ジョブが完了するための時間全体を確認します。これを古いログと比較します。以前に比べてジョブの終了に非常に時間がかかる場合、または期待した速度が実現されにない場合は、さらにトラブルシューティングを続けます。
2 一時的なハードウェアの問題を解決します。次のようにしてサーバーとテープドライブ/ライブラリの電源を入れ直します。
最 初にバックアップサーバー、次にテープドライブまたはライブラリをシャットダウンします (規定どおり)。2 秒間待機し、テープドライブ/ライブラリの電源をオンにし、使用可能な状態になるまで、またはすべての動きが止まるまでさらに待機します。ここで、サーバーの電源をオンにします。バックアップジョブを再実行し、速度を確認します。
3. SCSI サブシステムを調べます。ディスクコントローラの速度や、ディスクドライブ、テープドライブ、ディスクコントローラ、SCSI バス、さらに不適切なケーブル接続やターミネータなどに起因するハードウェアエラーがパフォーマンス低下の原因となります。コントローラがテープバックアップハードウェアに適していること、および SCSI BIOS が適切に設定されていることを確認します。また、次の事項を確認します。
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- テープデバイスが 68 ピンの Wide SCSI ケーブルコネクタに接続されている場合、[Initiate Wide Negotiation]が[YES]に設定されている。
- テープドライブが SCSI RAID コントローラに接続されていない。
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検証操作のパフォーマンスは SCSI サブシステムのヘルスを示しています。検証操作はメディアサーバー上のデータのみを読み取って実行されるため、通常は SCSI サブシステムの速度によって制限されます。検証のパフォーマンスは、検証操作を含むジョブのログで調べることができます。検証速度が遅い場合は、SCSI サブシステムがパフォーマンスのボトルネックと考えられます。
5. 問題を絞り込みます。1 つのジョブだけに時間がかかる場合は、このジョブをさらに分割し、特定の部分のデータがパフォーマンス低下の原因になっていないかを確認します。特定のデータセットが問題として特定される場合は、以下を実行してください。
データが他の場所にリダイレクトされていないことを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートでデータをマウントできます。このディレクトリ内のファイルはリモートサーバー上に存在しており、そのためにバックアップ全体の速度が低下している可能性があります。
このバックアップセクションに多くの小さなファイルやディレクトリが存在していないかを調べます。多くの小さなファイルやディレクトリが存在するとバックアップの速度が低下するため、その状況が予想されます。
6. システムのスループットをテストします。NTBackup (Windows のバックアップ) を開き、ドライブまたはエージェントのバックアップジョブを実行します (NTBackup を起動するには、スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択し、「ntbackup」と入力)。テープドライブへのバックアップを実行する場合は、[バックアップ (Backup)] タブをクリックし、[バックアップ先 (Backup Destination)]フィールドの下のドロップダウンボックスから選択します。ドライバが表示されない場合は、Veritas ドライバをアンインストールし、このドライブの OEM ドライバをインストールします。このためには 2 度再起動する必要があります。できれば、ドライブまたはエージェント全体のバックアップ、または少なくとも 2GB のデータのバックアップを行います。ドライブの一部の領域には、実際に不良セクタがあるドライブや何十万もの小さなファイルが含まれるドライブのような問題の可能性があることに留意してください。ログを確認し、Backup Exec のログと速度を比較します。速度が同等の場合、バックアップのパフォーマンスはこのシステムの容量によるものです。
7. 正常に圧縮されている場合のテープドライブのデータ転送速度は、最大でネーティブ速度の 2 倍です。圧縮は、入力データによって大きく異なります。Microsoft ペイントなどのグラフィックプログラムのイメージファイルの圧縮率は 4.5: 1 以上ですが、バイナリファイルの圧縮率は 1.5:1 程度です。圧縮済みのデータ、または暗号化されたデータや MPEG ファイルなどのランダムデータをさらに圧縮すると、逆にデータ量が 5 % ほど増加することがあり、ドライブのスループットを低下させる原因となります。ハードウェア圧縮が予想どおりに実行されていない場合はソフトウェア圧縮に切り替え、逆の場合は逆の操作を行います (このためには、バックアップジョブのプロパティを編集し、[設定 (Settings)]の下にある[一般 (General)]をクリックし、[圧縮の種類 (Compression Type)]ドロップダウンリストで別の圧縮の種類を選択)。
ディスクへのリモートバックアップ
2. 問題を絞り込みます。1 つのジョブで複数のドライブまたはエージェントをバックアップする場合は、このジョブを該当するドライブとエージェントごとの個別のジョブに分割します。たとえば、バックアップジョブが C、D、E、および Exchange エージェントをバックアップする場合は、4 つの別々のジョブ (C、D、E、および Exchange のそれぞれに 1 つずつ) を作成します (このためには、[バックアップ (Backup)]をクリックし、C$ ドライブを選択して[送信 (Submit)]をクリックします。ドライブとエージェントのそれぞれについてこの手順を繰り返します)。特定のジョブのみに時間がかかる場合は、引き続きこのジョブのトラブルシューティングを行います。
3. 問題を絞り込みます。1 つのジョブだけに時間がかかる場合は、このジョブをさらに分割し、特定の部分のデータがパフォーマンス低下の原因になっていないかを確認します。特定のデータセットが問題として特定される場合は、以下を実行してください。
データが他の場所にリダイレクトされていないことを確認します。一部のファイルシステムでは、ディレクトリにリモートでデータをマウントできます。このディレクトリ内のファイルはリモートサーバー上に存在しており、そのためにバックアップ全体の速度が低下している可能性があります。
このバックアップセクションに多くの小さなファイルやディレクトリが存在していないかを調べます。多くの小さなファイルやディレクトリが存在するとバックアップの速度が低下するため、その状況が予想されます。
4. ネットワークのスループットをテストします。500MB ~ 1GB のデータをバックアップサーバーからリモートサーバーにコピーし、コピー操作の完了に必要な時間をメモします (このためには、スタートメニューで[ファイル名を指定して実行]をクリックし、 <\\remote servername\c$> と入力して別のサーバーへのパスを作成し、ドライブが表示されたらデータをコピー)。同じ手順に従って、リモートサーバーからバックアップサーバーにデータをコピーし、かかった時間をメモします。「バックアップデータ」を「時間」で割り、速度 (MB/分) を計算して Backup Exec のパフォーマンスと比較します。Backup Exec のパフォーマンスがファイルコピーテストと同等の場合、バックアップの動作はネットワークの容量によるものです。低速の場合は、ネットワークコンポーネントのトラブルシューティングを行います。Backup Exec のパフォーマンスがファイルコピーテストより低い場合は、ネットワークがボトルネックではないと考えられます。
ネットワークがボトルネックと思われる場合は、この同じテストを別のリモートサーバーに対して、または 2 つの全く異なるサーバー間で実行し、パフォーマンスの問題がネットワーク全般に関連するか、ネットワーク上の特定のサーバーに関連するかを確認します。
5. システムのスループットをテストします。要点 3 に記載した手順を実行してネットワークの問題が検出されなかった場合のみ、次の手順に従います。
NTBackup (Windows のバックアップ) でリモートサーバーをバックアップします (スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択し、「ntbackup」 と入力)。NTBackup でリモートサーバーが表示されない場合は、サーバーのドライブにマップされたドライブを作成し (低速の原因が Exchange や SQL のようなエージェントのバックアップではない場合)、再試行します。同様のステップを実行し、少なくとも 2GB のデータをバックアップします。ログを確認し、Backup Exec のログと比較します。これで問題を絞り込むことができ、サーバーの問題か Backup Exec の問題かが示されます。NTBackup でリモートバックアップを使用できない場合は、リモートサーバー上で NTBackup をローカルに開いて実行します (リモートサーバー上の 1 つのドライブから別のドライブへのバックアップ)。
テープへのリモートバックアップ
「 テープへのローカルバックアップ 」に記載した要点は、すべてこのセクションにも当てはまります。他に次の要点も参照してください。
2. システムのスループットをテストします。このセクションの要点 1 に記載した手順を実行してネットワークの問題が検出されなかった場合のみ、次の手順に従います。
NTBackup でリモートサーバーをバックアップします (スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択し、「ntbackup」と入力)。NTBackup でリモートサーバーが表示されない場合は、サーバーのドライブにマップされたドライブを作成し (低速の原因が Exchange や SQL のようなエージェントのバックアップではない場合)、再試行します。同様のステップを実行し、少なくとも 2GB のデータをバックアップします。ログを確認し、Backup Exec のログと比較します。これで問題を絞り込むことができ、サーバーの問題か Backup Exec の問題かが示されます。
メモ: NTBackup でリモートバックアップを使用できない場合は、リモートサーバー上で NTBackup をローカルに開いて実行します (リモートサーバー上の 1 つのドライブから別のドライブへのバックアップ)。つまり、ユーザーは適切な比較が得られるように、Backup Exec を使用して同じデータのディスクへのバックアップジョブも実行する必要があります。ただし、ほとんどの場合にディスクへのバックアップジョブはテープへのバックアップジョブより高速です。
関連文書:
294973 : Melhorando o desempenho e resolvendo problemas do Backup Exec
https://support.veritas.com/docs/294973 (英語)
301213 : Amelioration et depannage des performances de Backup Exec
https://support.veritas.com/docs/301213 (英語)
295467 : Mejora y solucion de problemas en el rendimiento de Backup Exec
https://support.veritas.com/docs/295467 (英語)
301086 : Come migliorare e risolvere i problemi di prestazioni di Backup Exec
https://support.veritas.com/docs/301086 (英語)
237047 : How to resolve hardware communication/detection issues with Backup Exec
https://support.veritas.com/docs/237047 (英語)
237444 : How to correct slow backup performance, slow virus or pre-job scans, and agent initialization problems on fragmented Windows 2000 and Windows 2003 Server Hard Disk Partitions
https://support.veritas.com/docs/237444 (英語)
254212 : How to enable or disable "debug logging" in Backup Exec for Windows Servers
https://support.veritas.com/docs/254212 (英語)
275639 : How to enable debug logs for Backup Exec 11.x and above using BEUtility
https://support.veritas.com/docs/275639 (英語)