問題
手動ディザスタリカバリ (MDR: Manual Disaster Recovery) を使用した Backup Exec サーバー自身のシステム復旧方法。
手動ディザスタリカバリは、次のような場合に使用してください。
- SDR (Simplified Disaster Recovery) が利用できないか、失敗した場合。
- Windows オペレーティングシステムに障害が発生し、システム修復ディスクを使用しても復旧することができない場合。
- Windows オペレーティングシステムをインストールしたハードディスクに、再フォーマットを必要とするリカバリ不可能なエラーが発生した場合。
- Windows オペレーティングシステムをインストールしたハードディスクを交換する必要がある場合。
注: ドメインコントローラーのディザスタリカバリには、このドキュメントに記載していない追加の手順が必要になる場合があります。詳しくは Backup Exec 管理者ガイドおよび Microsoft 社ドキュメントを参照してください。
解決策
Backup Exec サーバー自身の手動ディザスタリカバリに必要な項目は次のとおりです。
- リカバリするコンピュータの最新の完全バックアップと、それ以降の増分バックアップと差分バックアップ。
- Windows インストール用メディア
- Backup Exec インストールメディア
- Backup Exec データベースの暗号化に使用されたデータベース暗号化キー。このキーは、事前に安全な場所にエクスポートしておきます。リカバリ処理を完了するには、その場所からキーを取得する必要があります。事前のエスポート手順は Backup Exec データベース暗号化キーのエクスポート を参照してください。
- テープドライブやディスクストレージデバイスやロボットライブラリなどのストレージデバイスは、リカバリするコンピュータに接続する必要があります。
注: BitLocker の暗号化が有効になっている Windows コンピュータをリカバリする場合は、リストア後に BitLocker の暗号化を再び有効にする必要があります。BitLocker ドライブ暗号化について詳しくは、Microsoft のマニュアルを参照してください。
この手順を実行するには、Administrator または同等の権限のあるアカウントを使用して Windows にログオンしている必要があります。
1. Windows の元のバージョンをインストールします。
Windows のインストール完了後に次の作業を実施します。
- バックアップ時点と同じ Service Pack およびパッチ を適用します。
- コンピュータ名をバックアップ時点と同じ名称にします。
- プライマリ DNS サフィックス (ドメインサフィックス) をバックアップ時点と同じ名称にします。
[コンピュータ名の変更]ダイアログボックスの[詳細...]オプションを使用して、プライマリ DNS サフィックスを設定できます。 - ドメインに参加していた場合は、この時点ではドメインに参加しません。ディザスタリカバリ完了後に再度ドメインに参加します。
2. 元々インストールしていたディレクトリ以外のディレクトリに Backup Exec をインストールします (これは一時的なインストールです)。この手順を実行するには、Administrator または同等の権限のあるアカウントを使用して Windows にログオンしている必要があります。
注: ディザスタリカバリの完了後に、一時インストールディレクトリは削除できます。
図1
3. Backup Exec を起動し、[ストレージ] タブ、[ストレージを設定] の順に選択して、必要なストレージデバイスを追加します。このストレージデバイスは、バックアップセットが存在するテープまたはディスクストレージデバイスです。
4. [ストレージ] タブで [今すぐにインベントリ処理とカタログ登録をする] をクリックして、リカバリするコンピュータの最新の完全バックアップ、増分バックアップ、および差分バックアップが格納されているメディアのインベントリとカタログ登録の両方を行います。
図2
5. [バックアップとリストア] タブを選択し、次に [リストア] をクリックします。
図3
6. [コンピュータの完全なオンラインリストアまたはシステムコンポーネントのリストア] を選択し、[次へ] をクリックします。
図4
注: [コンピュータの完全なオンラインリストアまたはシステムコンポーネントのリストア] というリストア方法が利用できない場合は、リカバリ用の個々のシステムコンポーネントを手動で選択したリストアジョブを作成します。
7. [全体がバックアップ対象に選択された Microsoft Windows コンピュータ] を選択し、[次へ] をクリックします。
図5
8. [特定時点] 欄でバックアップを取得した時点を選択し、[次へ] をクリックします。
図6
9. [リストアするデータのファイル整合性、階層、セキュリティを維持する方法を選択してください] パネルでオプションの [常にディスク上のファイルを上書きする] が選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。
図7
10. [オペレーティングシステムの機能のリストア方法を指定してください] パネルで、[次へ] をクリックします。
図8
11. [システム状態データのリストア方法を指定してください] パネルで、[既存のハードウェア構成とレジストリサービスをリストアするデータで上書きする] が選択されていることを確認し、 [次へ] をクリックします。
注: 以前とは異なる機種のコンピュータにリストアする場合は [既存のハードウェア構成とレジストリサービスをリストアするデータと結合する] を選択します。
図9
12. [リストアの前後に実行する追加タスクを指定してください] パネルで、[次へ]をクリックします。
図10
13. 必要に応じてジョブ名とスケジュールを指定し、[次へ] をクリックします。
図11
14. [リストアの概略] パネルで、[完了] をクリックします。
図12
15. リストアジョブの完了後にコンピュータを再起動します。
16. Backup Exec を起動すると、データベース暗号化キーファイルを求めるプロンプトが表示されます。次の手順を完了して、データベース暗号化キーファイルをインポートします。
1) [インポート] ボタンをクリックします。
図13
2) 事前にエクスポートしておいた暗号化キーファイルを指定し、[開く] を押します。
図14
3) Backup Exec にログオンし、設定が戻されていることを確認します。
17. ディザスタリカバリが完了しましたら、必要に応じて Backup Exec の一時インストールディレクトリを削除します。