手動ディザスタリカバリ (MDR) を使用したリモートサーバーの復旧方法

Article: 100054418
Last Published: 2023-03-08
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Product(s): Backup Exec

問題

手動ディザスタリカバリ (MDR: Manual Disaster Recovery) を使用したリモートサーバー、リモートコンピュータの復旧方法。

手動ディザスタリカバリは、次のような場合に使用します。

  • SDR (Simplified Disaster Recovery) が利用できないか、失敗した場合。
  • Windows オペレーティングシステムに障害が発生し、システム修復ディスクを使用しても復旧することができない場合。
  • Windows オペレーティングシステムをインストールしたハードディスクに、再フォーマットを必要とするリカバリ不可能なエラーが発生した場合。
  • Windows オペレーティングシステムをインストールしたハードディスクを交換する必要がある場合。

注1: この手順は、コンピュータのオペレーティングシステムを障害発生前の状態にリストアします。Agent for Microsoft Exchange Server などの Backup Exec Agent によってデータが保護されている場合は、ディザスタリカバリを開始する前に、Backup Exec 管理者ガイドのエージェントによって保護されているデータのリストア方法に関するセクションを参照してください。コンピュータのリカバリが完了した後で、エージェントによって保護されているデータをリストアする必要があります。

注2: BitLocker の暗号化が有効になっているコンピュータをリカバリする場合は、リストア後に BitLocker の暗号化を再び有効にする必要があります。BitLocker ドライブ暗号化について、詳しくは Microsoft 社ドキュメントを参照してください。
 
注3: ドメインコントローラのディザスタリカバリには、このドキュメントに記載していない追加の手順が必要になる場合があります。詳しくは Backup Exec 管理者ガイドおよび Microsoft 社ドキュメントを参照してください。
 

解決策

リモートサーバー、リモートコンピュータの手動ディザスタリカバリに必要な項目は次のとおりです。

  • リカバリするコンピュータの最新の完全バックアップと、それ以降の増分バックアップと差分バックアップ。
  • Windows インストール用メディア

手順:

1. バックアップ時点と同じバージョンの Windows をインストールします。

Windows のインストール完了後に次の作業を実施します。

  • バックアップ時点と同じ Service Pack およびパッチを適用します。
  • コンピュータ名をバックアップ時点と同じ名称にします。
  • プライマリ DNS サフィックス (ドメインサフィックス) をバックアップ時点と同じ名称にします。(図1)
  • ドメインに参加していた場合は、この時点ではドメインに参加しません。
    ドメインに参加していた場合は、リストアおよび再起動が完了した後で、そのドメインの信頼関係を確立する必要があります。

図1.

 

2. インストールしたコンピュータの管理者アカウントまたはパスワードが以前と異なる場合は、アカウント情報を更新します。

ドメインに参加していた場合は、ローカルアカウントで接続できるように、アカウント情報を変更する必要があります。

Backup Exec の管理コンソールを開き、[バックアップとリストア] タブでリカバリ対象のコンピュータをダブルクリックし、[クレデンシャル] ペインを開きます。(図2)

[ログオンアカウント] を展開し [<新しいログオンアカウント>] から、新しいログオンアカウントを作成します。

作成後、新しく作成したログオンアカウントが選択されていることを確認し、[適用] をクリックします。

図2.

 

3. 重複排除デバイスを使用している場合は、[ダイレクトアクセスの共有] ペインが表示され、クライアント側重複排除が有効になっている場合があります。

[ダイレクトアクセスの共有] ペインでサーバーのチェックを外し、[適用] をクリックします。(図3)

続いて、Backup Exec サーバーで Backup Exec のサービスを再起動します。

図3.

 

4. リモートエージェントをインストールします。

[バックアップとリストア] タブのサーバー一覧で、リカバリ対象のコンピュータを右クリックし、[更新] をクリックします。(図4)

インストールするタイミングは [繰り返しなしのスケジュールで今すぐ実行] を選択します。(図5)

必要に応じて、[Backup Exec Agent for Windows の更新のインストール後、再起動が必要な場合はコンピュータを自動的に再起動する] を有効にします。

注: インストールに失敗する場合は、Agent for Windows (別名 Remote Agent、AWS、RAWS) をインストールする方法 を参照し、別の方法でインストールします。

図4.

図5.

 

5. リモートエージェントインストール後は、リカバリ対象のコンピュータを右クリックし [信頼の確立] を行います。

6. [バックアップとリストア] タブで、リカバリ対象のコンピュータを選択し、画面上部の [リストア] をクリックします。(図6)

あるいは、リカバリ対象のコンピュータを右クリックし [リストア] を選択します。

図6.

 

7. [コンピュータの完全なオンラインリストアまたはシステムコンポーネントのリストア]を選択し、[次へ] をクリックします。(図7)

注: [コンピュータの完全なオンラインリストアまたはシステムコンポーネントのリストア]が表示されていないか利用できない場合は、コンピュータの完全なリストアを実施することができません。このドキュメントの最後の脚注を参照してください。

図7.

 

8. [全体がバックアップ対象に選択された Microsoft Windows コンピュータ] をクリック選択し、[次へ] をクリックします。(図8)

注: [全体がバックアップ対象に選択された Microsoft Windows コンピュータ]が表示されていないか利用できない場合は、コンピュータの完全なリストアを実施することができません。このドキュメントの最後の脚注を参照してください。

図8.

 

9. [特定時点] 欄でバックアップした日時を選択し、[次へ] をクリックします。(図9)

[完全なオンラインリストアに必要なコンポーネント] 以外のコンポーネントは、コンピュータのディザスタリカバリ完了後に個別にリストアすることができます。

図9.

 

10. [常にディスク上のファイルを上書きする] が選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。(図10)

図10.

 

11. [次へ] を押してゆき、[リストアの概略] パネルが表示されたら内容を確認し [完了] をクリックします。(図11)

図11.

12. リストアジョブの完了を待ちます。

13. リストアジョブが完了したら、リカバリ対象のコンピュータを再起動します。

14. 手順2でアカウント情報の更新した場合は元のアカウントに戻します。

15. リカバリ対象のコンピュータの再起動ができたら、リカバリ対象のコンピュータを右クリックし [信頼の確立] を行います。

16. 手順3でダイレクトアクセスの共有を無効にした場合は、必要に応じて再度有効にし、Backup Exec サーバーで Backup Exec のサービスを再起動します。

17. リカバリ対象のコンピュータの完全バックアップを取得します。

 

注: コンピュータの完全なリストアを実施することができない場合

個々のシステムコンポーネントを手動で選択しリストアします。複数のジョブでリストアを行う場合は、すべてのリストアが完了するまでリカバリ対象のコンピュータを再起動しないでください。

通常次のコンポーネントをリストアします。

  • C:
  • EFI システムパーティション (OS 再インストール時に再作成されているので省略可)
  • システム状態 (最後にリストアします)

 

 

 

 

 

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