問題
Backup Exec を以前のバージョンから手動でアップグレードする必要がある。
解決策
Backup Exec (BE) インストーラーを使用してアップグレードを実施して、BE と BE データベース (BEDB) をアップグレードすることをお勧めします。
あるは Backup Exec Migration Assistant (BEMA) を使用して、サーバーの移行と同時にアップグレードを実施することもできます。- Backup Exec Migration Assistant を使用して異なる別のサーバーに Backup Exec を移行する方法
これら方法が失敗する場合、または以前のバージョンの BE で保存したデータベースを新しいバージョンの BE に追加する必要がある場合は、BEMIG ツールを使用できます。このツールは、BE インストーラと同じアップグレードバージョンルールを使用します。以下の表に説明があります。
注意: 次のいずれかの条件が当てはまる場合は、このドキュメントの手順を実行しないでください。
- Backup Exec をクラスタ化している。
- Backup Exec Shared Storage Option (SSO) をインストールしている。
- Backup Exec 集中管理サーバー (CAS) をインストールしている。
- Backup Exec Server Free Option をインストールしている。
- Backup Exec をインストールしているコンピュータと、Backup Exec のインストール先のコンピュータが、異なるバージョンの Windows オペレーティングシステムで実行している。
- Backup Exec をサーバー上の異なるドライブ/ディレクトリに移動しようとしている。
手順:
1. まず、BE が最新のバージョンを使用しているかを確認します。最新のアップデート、サービスパック、フィーチャーパック、ホットフィクス等を適用します。最新バージョンのインストーラーやパッチインストーラーは ダウンロードセンター から入手できます。
2. すべての Backup Exec サービス と [SQL Server (BKUPEXEC)] サービスを停止します。
注: Backup Exec 22 移行では、SQL サービス名が [SQL Server (BKUPEXEC64)] になりました。
3. \Program Files\Veritas\Backup Exec ディレクトリ、または \Program Files\Symantec\Backup Exec ディレクトリを開きます。Data フォルダーをコピーし、同じ場所に貼り付けます。「コピー ~ Data」の名前を、「Data-<今日の日付>」または「Data-<バージョン#>-New」と変更します。
4. 以前のバージョンの BE から保存したデータベースファイルを Backup Exec\Data フォルダにコピー (または Backup Exec\Data フォルダ全体をコピー) します。
データベースファイルは bedb_dat.mdf ファイルと bedb_log.ldf ファイルです。
5. Catalogs フォルダーも保存済みの場合は、現在の Catalogs フォルダーの名前を Catalogs.old に変更し、保存してある Catalogs フォルダーを Backup Exec 下にコピー/移動します。
6. SQL サービスを起動します。
7. BEMIG のレジストリキーを設定します。
警告: Windows のレジストリエディタを不適切に使用すると、オペレーティングシステムが正常に機能しなくなる可能性があります。Windows レジストリを変更する際は十分に注意してください。レジストリエディタのアプリケーションを使用した経験がある場合にのみ、レジストリの修正を行ってくだ さい。レジストリを変更する前に、レジストリとワークステーションの完全なバックアップを行うことをお勧めします。
7a.レジストリエディタを起動します ([スタート][ファイル名を指定して実行][Regedit] と入力)。
HKLM | Software | Veritas | Backup Exec for Windows | Backup Exec | <バージョン番号> | Install に移動します。
7b. [Upgrade] の値を 1 に変更します。
存在しない場合は、DWORD として作成します。
7c. [Upgrade Version] の値を、インポート元の DB のバージョンの値に変更します。表を参照してください。
存在しない場合は、文字列値として作成します。
[Upgrade Version] の値は、次の表を参照してください。「X」がアップグレード可能なバージョンを示しています。
BEバージョン | Upgrade Version 値 | 11 | 12.0 | 12.5 | 2010 | 2010 R2 | 2010 R3 | 2012 | 2014 | 15 | 16 | 20 | 21 | 22 | 23 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9.1 | 9.1.4691.0 | X | |||||||||||||
10.0 revision 5484 | 10.0.5484.0 | X | |||||||||||||
10.0 revision 5520 | 10.0.5520.0 | X | |||||||||||||
10.1 (10d) | 10.1.5629.0 | X | X | ||||||||||||
11 revision 6235 | 11.0.6235.0 | X | X | X | X | X | |||||||||
11 (11d) revision 7170 | 11.0.7170.0 | X | X | X | X | X | X |
||||||||
12.0 | 12.0.1364.0 | X | X | X | X | ||||||||||
12.5 | 12.5.2213.0 | X | X | X | X | X | |||||||||
2010 | 13.0.2896.0 | X | X | X | X | ||||||||||
2010 R2 | 13.0.4164.0 | X | X | X | |||||||||||
2010 R3 | 13.0.5204.0 | X | X | X(1) | X(1) | ||||||||||
2012 | 14.0.1798.0 | X | X | X | |||||||||||
2014 | 14.1.1786.0 | X | X | X | |||||||||||
15 | 14.2.1180.0 | X | X | X | |||||||||||
16 | 16.0.1142 | X | X | ||||||||||||
20 | 20.0.1188 | X | X | ||||||||||||
21 | 21.0.1200 | X | X | ||||||||||||
22 | 22.0.1193 | X |
(1) Backup Exec 2010 から Backup Exec 15 または 16 にアップグレードする場合は、予め SP4 以降をインストールしておく必要があります。
注意: Backup Exec 15 と 16 は Backup Exec サーバーとして 32-bit オペレーティングシステムをサポートしていないので、32-bit オペレーティングシステムで動作している古いバージョンの Backup Exec を Backup Exec 15 または 15 にアップグレードしないでください。
8. コマンドプロンプトを開いて、\Program Files\Veritas\Backup Exec に移動し、BEMIG を実行します。
C:\>cd C:\Program Files\Veritas\Backup Exec
C:\Program files\Veritas\Backup Exec>bemig
更新が完全に完了しコマンドプロンプトに戻るのを待ちます。
9. BE サービスを起動し、BE 管理コンソールを開きます。
注1: サービスの起動に失敗する場合は、次の追加の手順が必要になることがあります。
- [SQL Server (BKUPEXEC)] サービスを停止します。BE 22 では [SQL Server (BKUPEXEC64)] です。
- BEDB データベースファイルを Data フォルダからデスクトップにコピーします。
- [SQL Server (BKUPEXEC)] サービスを起動します。BE 22 では [SQL Server (BKUPEXEC64)] です。
- BEutility のデータベースのコピー機能を実行し、デスクトップ上の BEDB ファイルをインポートします。これにより、データベースに影響を及ぼす環境の変更要素が修正されます。
- データベースのコピーに関する文書 - https://www.veritas.com/content/support/en_US/article.100017867
注2: 移行前に実行されたジョブのジョブログは、BEDB 内では管理されません。移行後も古いジョブログにアクセスする必要がある場合は、別途コピーする必要がありますが、移行先のサーバで BE が別のパスにインストールされている場合は、コピーしたジョブログを管理コンソールから開くことができません。この場合は XML ファイルを直接開いて確認する必要があります。
注3: 新しいサーバーではボリュームに新しい識別子が付与されるほか、オペレーティングシステムのプラグアンドプレイでテープライブラリなどのストレージデバイスを検出するため、バックアップのターゲットとして使用していたストレージデバイスは、移行後に新しいデバイスとして認識されます。このため、BE のストレージ構成を調整し、ジョブが新しく構成されたデバイスを使用するように、ジョブ定義の再設定が必要となる場合があります。