Cluster Server 7.3.1 アプリケーションノート: Oracle サーバーの動的再構成 - Solaris
M5000 サーバー上のオンラインのホストバスアダプタ(HBA)の交換
ここでは、DMP によって Cluster File System(CFS)クラスタでマルチパスを管理している場合に、オンラインのホストバスアダプタ(HBA)を交換する手順について説明します。 HBA を交換すると、HBA の WWPN(World Wide Port Name)が変更されます。
オンラインのホストバスアダプタ(HBA)を交換するための前提条件は、次のとおりです。
単一ノードまたは複数のノードの CFS または RAC クラスタ。
CFS ファイルシステム上で実行されている I/O。
各 PCI スロットに少なくとも 2 つの HBA があり、HBA 交換のために推奨されるレベルの Solaris パッチが適用されている M5000 サーバー。
M5000 サーバー上のオンラインのホストバスアダプタをホットスワップする手順は、次のとおりです。
M5000 サーバー上のオンラインのホストバスアダプタ(HBA)を交換するには
- 次のコマンドを使って M5000 サーバー上の HBA を特定します。
/usr/platform/sun4u/sbin/prtdiag -v | grep emlx ( emulex HBA)
/usr/platform/sun4u/sbin/prtdiag -v | grep qlc ( qlogic HBA )
00 PCIe 0 2, fc20, 10df 119, 0, 0 okay 4, 4 SUNW,emlxs-pci10df,fc20 LPe 11002-S /pci@0,600000/pci@0/pci@9/SUNW,emlxs@0 00 PCIe 0 2, fc20, 10df 119, 0, 1 okay 4, 4 SUNW,emlxs-pci10df,fc20 LPe 11002-S /pci@0,600000/pci@0/pci@9/SUNW,emlxs@0,1 00 PCIe 3 2, fc20, 10df 2, 0, 0 okay 4, 4 SUNW,emlxs-pci10df,fc20 LPe 11002-S /pci@3,700000/SUNW,emlxs@0 00 PCIe 3 2, fc20, 10df 2, 0, 1 okay 4, 4 SUNW,emlxs-pci10df,fc20 LPe 11002-S /pci@3,700000/SUNW,emlxs@0,1
- cfgadm コマンドを使って交換する HBA とその WWPN を特定します。
HBA を特定するには
# cfgadm -al | grep -i fibre
iou#0-pci#1 fibre/hp connected configured ok iou#0-pci#4 fibre/hp connected configured ok
すべての HBA を一覧表示するには
# luxadm -e port ( will list all HBA's )
/devices/pci@0,600000/pci@0/pci@9/SUNW,emlxs@0/fp@0,0:devctl NOT CONNECTED /devices/pci@0,600000/pci@0/pci@9/SUNW,emlxs@0,1/fp@0,0:devctl CONNECTED /devices/pci@3,700000/SUNW,emlxs@0/fp@0,0:devctl NOT CONNECTED /devices/pci@3,700000/SUNW,emlxs@0,1/fp@0,0:devctl CONNECTED
HBA を選択して portap をダンプし WWPN を取得します。
# luxadm -e dump_map /devices/pci@0,600000/pci@0/pci@9/SUNW,emlxs@0,1/ fp@0,0:devctl
0 304700 0 203600a0b847900c 200600a0b847900c 0x0 (Disk device) 1 30a800 0 20220002ac00065f 2ff70002ac00065f 0x0 (Disk device) 2 30a900 0 21220002ac00065f 2ff70002ac00065f 0x0 (Disk device) 3 560500 0 10000000c97c3c2f 20000000c97c3c2f 0x1f (Unknown Type) 4 560700 0 10000000c97c9557 20000000c97c9557 0x1f (Unknown Type) 5 560b00 0 10000000c97c34b5 20000000c97c34b5 0x1f (Unknown Type) 6 560900 0 10000000c973149f 20000000c973149f 0x1f (Unknown Type,Host Bus Adapter)
また、Solaris の fcinfo hba-port コマンドを実行して HBA ポート用の WWPN を取得することもできます。
- ホットスワップ用のスペアの HBA に互換性があることを確認します。
- HBA ポート上の I/O 操作を停止し、交換する HBA の DMP サブパスを無効にします。
# vxdmpadm disable ctrl=<ctrl#>
- cfgadm コマンドを使って PCIe スロットの HBA の設定を動的に解除します。
# cfgadm -c unconfigure iou#0-pci#1
cfgadm コマンドが失敗したかどうかを調べるために、コンソールメッセージを探します。
cfgadm コマンドが失敗した場合は、サーバーハードウェアのマニュアルを参照してトラブルシューティングを行ってください。 Dynamic Reconfiguration 操作のための推奨の Solaris パッチレベルを確認し、Oracle のサポートに問い合わせてください。
console messages Oct 24 16:21:44 m5000sb0 pcihp: NOTICE: pcihp (pxb_plx2): card is removed from the slot iou 0-pci 1
- 次のコマンドを使って、手順 5 で交換する HBA カードが設定内にないことを確認します。
# cfgadm -al | grep -i fibre
iou 0-pci 4 fibre/hp connected configured ok
- ファイバーケーブルに印を付けます。
- ファイバーケーブルと、交換する必要のある HBA を取り外します。
メモ:
詳しくは、『SPARC Enterprise M4000/M5000/M8000/M9000 サーバー Dynamic Reconfiguration(DR)ユーザーズガイド』の HBA の交換手順を参照してください。
- 同じスロット内の同様のタイプの、互換性のある新しい HBA とこの HBA を交換します。
再挿入したカードが次のように表示されます。
console messages iou 0-pci 1 unknown disconnected unconfigured unknown
- 次のコマンドを実行して、交換した HBA の設定を元に戻します。
# cfgadm -c configure iou 0-pci 1
console messages Oct 24 16:21:57 m5000sb0 pcihp: NOTICE: pcihp (pxb_plx2): card is inserted in the slot iou#0-pci#1 (pci dev 0)
- cfgadm コマンドを使って、再挿入した HBA が設定内にあることを確認します。
# cfgadm -al | grep -i fibre
iou#0-pci 1 fibre/hp connected configured ok <==== iou#0-pci 4 fibre/hp connected configured ok
- 交換した HBA の WWPN が含まれるように、ファブリックゾーンを修正します。
- 新しい WWPN に対してストレージ上の LUN セキュリティを有効にします。
- cfgadm コマンドを使ってオペレーティングシステムのデバイススキャンを実行し、LUN を再検出します。
# cfgadm -c configure c3
- 古い LUN のデバイスツリーをクリーンアップします。
# devfsadm -Cv
メモ:
HBA の交換によって新しいデバイスが作成されることもあります。LUN のクリーンアップ操作は新しいデバイスが作成された場合にのみ実行してください。
- VxVM/DMP(Dynamic Multi-pathing)で削除した HBA パスのゴーストパスが表示されない場合は、vxdmpadm コマンドを使ってパスを有効にします。これにより、特定の HBA サブパスに対するデバイススキャンが実行されます。
# vxdmpadm disable ctrl=<ctrl#>
- 該当のパスで I/O 操作がスケジュール設定されているかどうかを確認します。
すべてのパスで I/O 操作が正しく実行されている場合、動的な HBA の交換はこれで完了です。