Veritas NetBackup™ Appliance ファイバーチャネルガイド
- NetBackup ファイバートランスポートと SAN クライアントについて
- FC を使用した複製の最適化と自動イメージレプリケーションについて
- テープサポートへのバックアップについて
- VMware のサポート
- NetBackup Appliance のサポート対象ファイバーチャネル機能
- NetBackup Appliance の背面パネルの構成
- HBA ポートモードの構成について
- FC SAN のゾーニング
- NetBackup Appliance Web コンソール の[ファイバートランスポート (Fibre Transport)]ページについて
- アプライアンス上でのファイバートランスポートの設定
ファイバートランスポートのチャンクサイズについて
チャンクサイズは、ファイバートランスポート (FT) を介して送信する前にバッファに格納されるデータのサイズを指定します。これは、送信者側で FT 経由で他の NetBackup アプライアンスに最適化複製とレプリケーションを提供するための高度な設定です。
デフォルトでは、チャンクサイズは設定または使用されません。チャンクサイズの設定は、FT での最適化複製とレプリケーションでは必要ありません。これは、ユーザーの配備とネットワークの状態に大きく依存します。バックアップのパフォーマンスを向上させる必要性を認識した場合は、現在の環境とネットワーク状態に対して適切な値を決めるために、必要に応じてチャンクサイズを調整できます。
通常、開始アプライアンスの送信者がデータのブロックを受け取り、データのサイズに関係なく送信を開始します。このデータブロックが送信された後、送信者は次のブロックを送信する前に、受信者 (またはターゲットアプライアンス) からの確認を待ちます。アプライアンスが中断なしに確認を受け取ると、送信が継続されます。ネットワークのレイテンシが高い場合、確認時間も長くなります。
チャンクサイズを設定することにより、データブロックを指定されたサイズのチャンクを使用して配信する必要があると判断します。1 つの送信セッションで、送信者が指定されたチャンクサイズよりも大きいデータのブロックを受け取ると、送信者はデータを送信用のチャンクに断片化します。断片化により残ったデータは次のチャンクに割り当てられます。データブロックが指定されたチャンクサイズよりも小さい場合、送信者はデータブロックをバッファに追加して、先行ブロックまたは後続ブロックからのデータにリンクさせます。データブロックのリンクは、バッファされたデータがチャンクサイズに達するまで続けられ、その後、アプライアンスはチャンクを送信します。送信後に、送信者は次のチャンクを送信する前に、受信者からの確認を待ちます。セッションが終了すると、残りのデータが送信されます。
FT 経由のデータブロックは通常 128 KB 以下です。チャンクサイズを 128 KB 以上の値に設定すると、アプライアンスは小さなデータブロックを大きなチャンクにリンクできます。このため、必要な確認作業が少なくなります。その結果、ネットワークレイテンシが高い場合に、送信効率を向上させることができます。さらに、データブロックをリンクさせることによりデータにより生成されるオーバーヘッドを減らすこともできます。
以下のシナリオではネットワークレイテンシが高くなる場合があり、チャンクサイズを使用して、改善策を検討できます。
データの送信距離が長く、FC と共に IP ネットワークを使って送信している。
FC のみの接続により、データが長距離送信されている。
メモ:
短距離 FC のみを使った接続中にバックアップのパフォーマンスが大幅に低下する場合は、チャンクサイズを調整して、改善するかどうかを確認してください。
チャンクサイズのデフォルト値は「0」です。この値は、チャンクサイズが設定されておらず未使用であることを意味します。チャンクサイズを「1」以上の値に設定する場合は、FC ネットワークに送信される各データチャンクのサイズを指定します。チャンクサイズの設定を有効にして管理するには、NetBackup Appliance シェルメニュー から Main > Support > FibreTransport > ChunkSize コマンドを使用してください。利用可能なチャンクサイズ範囲は 1~2048 KB です。推奨する値は、128 KB、256 KB、512 KB、1024 KB、2048 KB です。ご使用の環境に適した値を決めるために、他の値でテストすることもできます。
チャンクサイズが以下の理由で機能しない場合があります。
帯域幅制限
ネットワーク輻輳
専用データネットワークの未使用