Veritas NetBackup™ for VMware 管理者ガイド
- 概要
- 必須タスク: 概要
- 注意事項および前提条件
- NetBackup と VMware の通信の構成
- VMware の NetBackup クレデンシャルの追加
- NetBackup での VMware 仮想化サーバー証明書の検証
- NetBackup for VMware ポリシーの構成
- VMware バックアップオプション
- [ディスクを除外 (Exclude Disks)]タブ
- VMware インテリジェントポリシーの構成
- バックアップサイズの縮小
- 仮想マシンのバックアップ
- アクセラレータを使用した仮想マシンのバックアップ
- 仮想マシンのリストア
- VMware 仮想マシン全体のリストア
- [仮想マシンのリカバリ (Virtual Machine Recovery)]ダイアログボックス (元の場所へのリストア)
- [仮想マシンのリカバリ (Virtual Machine Recovery)]ダイアログボックス (代替場所へのリストア)
- [バックアップ、アーカイブおよびリストア]を使用して VMware 仮想マシンディスクをリストアする
- NetBackup コマンドを使用した VMware 仮想マシンディスクのリストア
- 個々の VMware 仮想マシンファイルのリストア
- リストアする仮想マシンの参照と検索
- インスタントリカバリを使用した仮想マシンのリストア
- vCloud Director での NetBackup の使用
- vCloud Director の[仮想マシンのリカバリ (Virtual machine recovery)]ダイアログボックス
- 推奨する実施例および詳細情報
- トラブルシューティング
- 付録 A. 仮想マシンのバックアップとリストアを実行する NetBackup コマンド
- NetBackup コマンドを使用して VMware ポリシーを作成する
- 付録 B. Windows の NFS のサービスの構成
- Windows Server 2012、2016 での NFS 用サービスの構成について (NetBackup for VMware)
- 付録 C. [VM 選択問い合わせ結果を再利用 (Reuse VM selection query results for)]オプション
- 付録 D. VMware raw デバイス (RDM) のバックアップ
NetBackup for VMware: 注意事項および制限事項
NetBackup for VMware に関する次の点に注意してください。
サポート対象の VMware バージョンとサポート対象のバックアップホスト用プラットフォームについては、次の場所から利用可能な NetBackup Enterprise Server と Server OS のソフトウェア互換性リストを参照してください。
NetBackup for VMware の追加サポート情報については、『Support for NetBackup in virtual environments』を参照してください。
NetBackup for VMware は、管理コンソールのポリシーの[属性 (Attributes)]タブの[インスタントリカバリまたは SLP 管理用にスナップショットを保持する (Retain snapshot for Instant Recovery or SLP )]オプションをサポートしません。
NetBackup は、これらの機能を次のようにサポートします。
インスタントリカバリの場合、nbrestorevm コマンドを使います。
VMware のインスタントリカバリについてを参照してください。
スナップショットの SLP 管理の場合、Replication Director を使います。
詳しくは、『NetBackup Replication Director ソリューションガイド』を参照してください。
NetBackup では、仮想マシンあたり 31 のスナップショットを使うことができます。仮想マシンに 31 より多いスナップショットが存在する場合は、バックアップが状態 13 で失敗する場合があります。次のようなメッセージが NetBackup ジョブの詳細に表示されます。
10/18/2012 4:56:59 PM - Critical bpbrm(pid=4604)from client Umesh_w2k3_hypervm33: FTL - vSphere_freeze: Unable to remove existing snapshot, too many existing snapshots (91). 10/18/2012 4:56:59 PM - Critical bpbrm(pid=4604) from client Umesh_w2k3_hypervm33: FTL - VMware_freeze: VIXAPI freeze (VMware snapshot) failed with 26: SYM_VMC_REMOVE_SNAPSHOT_FAILED
NetBackup の詳細の状態では、スナップショット数が 15 を超えると、スナップショットの統合または削除の確認として次のメッセージが表示されます。
Umesh_w2k3_hypervm33: WRN - vSphere_freeze: VM has 16 existing snapshots. Snapshots may start failing if this number exceeds 32
31 よりも多くのスナップショットがある仮想マシンをバックアップするには、既存のスナップショットを統合するか、または削除してください。その後、バックアップを再実行します。
メモ:
レプリケーションディレクタのバックアップでは、仮想マシンあたり 31 のスナップショットを使うことができます。
VM の vmdk のスナップショットデルタファイルの数が 32 を超えると、スナップショットの作成が失敗します。次のようなメッセージが NetBackup の詳細状態に表示されます。
Umesh_w2k3_hypervm33: FTL - vSphere_freeze: Unable to proceed with snapshot creation, too many existing delta files(50).
NetBackup の詳細の状態では、vmdk のデルタファイル数が 16 を超えると、スナップショットの統合または削除の確認として次のメッセージが表示されます。
Umesh_23k3_hypervm33: WRN - vSphere_freeze: VM has 17 existing delta files for vmdk Umesh_23k3_hypervm33.vmdk. Snapshots may start failing if this number exceeds 31
デルタファイルは VM のスナップショットを削除または統合しないと、デルタファイルは蓄積されます。既存のスナップショットを統合または削除して、バックアップを再実行します。
独立したディスクはスナップショットでキャプチャできないので、NetBackup for VMware は、独立したディスク上のデータをバックアップできません。バックアップは成功しますが、バックアップイメージには独立したディスクのデータは含まれていません。
独立したディスクのデータをバックアップするには、仮想マシンに NetBackup クライアントをインストールします。クライアントが物理ホストにインストールされた場合と同様に、仮想マシンと独立したディスクをバックアップするように NetBackup を構成できます。仮想マシンをリストアした後、別のジョブとして独立したディスクをリストアできます。
NetBackup for VMware は、仮想マシンに接続されている標準 iSCSI LUN をバックアップしません。仮想マシンに iSCSI LUN が割り当てられている場合、バックアップは成功しますが、LUN を表すドライブはバックアップされません。
注意: NetBackup for VMware は iSCSI を介したデータストアをサポートします。
いくつかの注意事項と制限事項が Linux の仮想マシンに適用されます。
NetBackup for VMware: Linux 仮想マシンの注意事項を参照してください。
Windows 仮想マシンに Veritas Storage Foundation のボリュームが含まれている場合、[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションはサポートされません。
[VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)]オプションを使用した増分バックアップでは、移動されたまたは名前が変更されたファイルはバックアップされません。これらのファイルは、増分バックアップから個々のファイルをリストアするために参照する際には利用できません。
メモ:
ブロックレベルの増分バックアップから VM 全体をリストアする場合は、ファイルのメタデータが更新され、移動されたまたは名前が変更されたファイルに更新後のメタデータが反映されます。
VMware 仮想マシンのテンプレートは仮想マシンのクローンを作成するためのものであり、オンにして VM として機能させることはできません。その結果、VMware は仮想マシンのテンプレートのバックアップと復元に次の制限事項を課しました。
仮想マシンのテンプレートはスナップショットでキャプチャできない。NetBackup は指定されたストレージユニットにテンプレートをバックアップする。
仮想マシンのテンプレートをバックアップするときに、ブロックレベルの増分バックアップ (BLIB) を使用できない。
メモ:
この制限のため、NetBackup アクセラレータは VMware 仮想マシンテンプレートのバックアップに使用できません。
仮想マシンのテンプレートは SAN 経由でバックアップできない。nbd などのローカルネットワークの転送形式を使うように NetBackup ポリシーを構成する必要があります。同様に、テンプレートのリストアはローカルネットワーク経由で行う必要がある。
メモ:
NetBackup ポリシーのクエリービルダーを使って、仮想マシンのテンプレートの自動選択規則を作成することができます。
NetBackup は、仮想マシンオブジェクトで次のように非 ASCII 文字をサポートしています。
NetBackup マスターサーバー、バックアップホスト、およびリストアホストは NetBackup 8.1 以降を実行する必要があります。バックアップホストとリストアホストは同じコンピュータにすることができます。
Windows ホストのシステムロケールが UTF-8 に設定されていない場合、NetBackup マスターサーバー、バックアップホスト、リストアホストの Windows オペレーティングシステムは、VM 表示名に非 ASCII 文字を想定しません。システムロケールが UTF-8 に設定されていない場合でも、表示名に非 ASCII 文字が含まれている VMware 仮想マシンのバックアップが機能することがあります。ただし、表示名に非 ASCII 文字が含まれている VMware 仮想マシンのバックアップからのリストアには、UTF-8 文字エンコーディングを使用する Linux または UNIX のリストアホストが必要です。
NetBackup マスターサーバー、バックアップホスト、およびリストアホストの UNIX および Linux オペレーティングシステムでは、UTF-8 文字エンコードを使う必要があります。バックアップホストとリストアホストは同じコンピュータにすることができます。
バックアップのために VM を選択する際に NetBackup が使用する名前には、非 ASCII 文字を含めることはできません。バックアップポリシーの[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]フィールドは、VM の選択に NetBackup が使用する名前の形式を識別します。たとえば、[VM 表示名 (VM display name)]を[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]として指定する場合、バックアップする各 VM の表示名に非 ASCII 文字を含めることはできません。
[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]オプション (VMware)を参照してください。
[VM BIOS UUID]と[VM インスタンス UUID (VM instance UUID)]の名前に非 ASCII 文字が含まれることはありません。
セキュリティのため、VM 名にはいくつかの制限があります。
プライマリ VM 識別子に対する NetBackup の文字制限を参照してください。
オブジェクトの例は、ファイル名とフォルダ名、注釈、フロッピーイメージの名前、パラレルポートまたはシリアルポートのファイル名、CD-ROM ISO 名などです。
デュアルブートの仮想マシンの場合、NetBackup は以下のポリシーオプションをサポートしません。
VM バックアップからのファイルリカバリを有効にする (Enable file recovery from VM backup)
削除されたブロックのエクスクルード
スワップおよびページングファイルのエクスクルード (Exclude swap and paging files)
[ブートディスクのエクスクルード (Exclude boot disk)]
[すべてのデータディスクを除外 (Exclude all data disks)]
次のディスク除外オプションをサポートするには、バックアップホストのリリースレベルが 8.1 以降である必要があります。
[カスタム属性ベースの除外を実行 (Perform custom attribute based exclusion)]
カスタム属性ベースのディスクの除外では、VM をホストする vCenter サーバーのクレデンシャルを NetBackup で入力する必要があります。ESXi サーバーのクレデンシャルでは不十分です。
VMware の NetBackup クレデンシャルの追加を参照してください。
[除外される特定のディスク (Specific disk(s) to be excluded)]
NetBackup は、Replication Director のバックアップでは次のディスク除外オプションをサポートしません。
[ブートディスクのエクスクルード (Exclude boot disk)]
[すべてのデータディスクを除外 (Exclude all data disks)]
[カスタム属性ベースの除外を実行 (Perform custom attribute based exclusion)]
[除外される特定のディスク (Specific disk(s) to be excluded)]
除外からディスクを削除する場合、最新のバックアップの前に最後に変更された個々のファイルをリストアすることはできません。それらのファイルをリストアするには、仮想ディスクまたは仮想マシン全体をリストアします。次の完全バックアップの後は、それらのファイルを個別にリストアできます。
NetBackup では、空の仮想マシンのバックアップは失敗します。VM は、そのすべてのディスクが空であるか、ディスクの除外ですべてのディスクが除外されるために空になることがあります。
Storage vMotion がファイルを移行している間に仮想マシンをバックアップするには、NetBackup は vCenter サーバーを介してバックアップを行う必要があります。
NetBackup と VMware Storage vMotion with vSphere 5.0 以降の競合を参照してください。
いくつかの注意事項と制限事項が、バックアップする仮想マシンの自動選択 (仮想マシンインテリジェントポリシー) に適用されます。
仮想マシンの自動選択の NetBackup の要件を参照してください。
hotadd バックアップまたはリストアの場合: バックアップ (またはリストア) する仮想マシンと hotadd バックアップホストを含む仮想マシンは同じ VMware データセンターに存在する必要があります。
hotadd トランスポートモードに関する注意事項を参照してください。
NetBackup for VMware はバックアップとリストアで Windows NTFS ファイル暗号化および圧縮をサポートします。ただし、NetBackup for VMware は NetBackup の圧縮または暗号化オプション (NetBackup のポリシー属性にある) をサポートしていません。
Windows、UNIX、または Linux のゲストオペレーティングシステムの場合: NetBackup for VMware は、NetBackup で設定されているか、またはゲスト OS で設定されているかに関係なく、いかなる種類の圧縮または暗号化もサポートしていません。
メモ:
圧縮された Windows NTFS ファイルは圧縮ファイルとしてバックアップおよびリストアされます。
VMware の Changed Block Tracking がオンになっている場合、スナップショットが仮想マシン上にあるとストレージの最適化を使用できません。
VMware バックアップサイズの縮小についてを参照してください。
ポリシーの[プライマリ VM 識別子 (Primary VM identifier)]オプションが[VM ホスト名 (VM hostname)]に設定されている場合、NetBackup は仮想マシンの IP アドレスを入手できなければバックアップのための VMware 仮想マシンを選択できません。
Exchange、SharePoint、SQL アプリケーションに関して、NetBackup for VMware は完全バックアップからのみ Granular Recovery Technology (GRT) を使用したリストアをサポートします。
リストアの注意事項および制限事項を参照してください。
ポリシーが手動選択からインテリジェントポリシーに変更された場合 (またはその逆の場合)、VM のバックアップがすでに存在する場合でも、その VM の次回のバックアップは通常の完全バックアップです。
次に例を示します。
新しい VMware ポリシーで、VM の選択に、[クライアント (Clients)]タブの[手動で選択 (Select manually)]オプションを使用します。ポリシーの最初のバックアップが実行されます。
ポリシーで、インテリジェントポリシーの問い合わせを使用して同じ VM を選択し、2 回目の VM のバックアップが実行されます。手動選択から問い合わせベースの選択に切り替えられたため、この 2 回目のバックアップは通常の完全バックアップです。[Block Level Incremental バックアップを有効にする (Enable block-level incremental backup)] (BLIB) または BLIB とアクセラレータを使用するポリシーでは、バックアップ処理は変更されたブロックだけに限られるものではないことに注意してください。
2 回目のバックアップの状態の詳細ログには、次のようなメッセージが含まれます。
There is no complete backup image match, a regular full backup will be performed.
ポリシーの VM 選択が問い合わせベースから手動選択に切り替えられた場合は、同じバックアップ動作が発生し、2 回目のバックアップは通常の完全バックアップになります。
vSphere 6.5 がホストする仮想マシンでは、NetBackup が VMware Change Block Tracking を有効にしようとするときにスナップショットが存在する場合、NetBackup はバックアップに失敗します。VMware Change Block Tracking API の動作が vSphere 6.5 から変更されたため、NetBackup はバックアップに失敗します。
バックアップポリシーで[Block Level Incremental (BLI) バックアップ (Block Level Incremental Backups)]が有効になっていて CBT がまだ VM で有効になっていない場合、NetBackup は VM で CBT を有効にします。
vSphere で、仮想環境に IPv6 アドレスがある場合は、DNS サーバーで IPv6 アドレスにマッピングされている完全修飾ドメイン名 (FQDN) のみを使用します。
次の条件では、VMware ポリシーの問い合わせのテスト操作は失敗します。
仮想マシンをバックアップする NetBackup マスターサーバーと ESX サーバー (たとえば、NAT 環境の ESX サーバー) の間に直接接続が存在せず、[自動仮想マシン選択を実行する NetBackup ホスト (NetBackup host to perform automatic virtual machine selection)]オプションが、バックアップメディアサーバー (たとえば、NAT メディアサーバー) に設定されている。