企業責任

環境持続可能性

ベリタスは、環境を大切にすることで成長が促進されると考えています。

2022 年度レポートを読む

また、人権、持続可能な方法でのビジネス、責任ある調達を信条としています。ベリタスの社内にとどまらず、パートナー様やサプライチェーン全体でも企業の持続可能性を推進しています。

持続可能な開発目標を支援するベリタスの取り組み

ベリタスの社内にとどまらず、サプライチェーン全体でも環境持続可能性に向けた取り組みをさらに推進し、実践していくため、ベリタスは以下の持続可能な開発目標 (SDGs) を支援しています。

グリーンハウスガスの排出

グリーンハウスガス (GHG) の排出量データは、会計年度ごとに収集されます。ベリタスでは 2019 年度を基準年として、スコープ 1、2、3 の排出量を測定しています。

2021 年にベリタスは削減目標を提出し、Science Based Targets イニシアチブ (SBTi) で承認されました。事業活動 (スコープ 1 および 2) によって排出されるグリーンハウスガスを対象としたこのベリタスの目標は、気温上昇を 1.5°C に抑えるために必要な削減量に一致しています。

この 1.5°C は、最新の気候科学によって示されている温度であり、気候変動による非常に大きなダメージを防ぐために目標とすべき値です。また、ベリタスのバリューチェーン (スコープ 3) の排出量削減目標は SBTi の条件を満たしており、バリューチェーンにおける意欲的な目標設定となっています。

通常、テクノロジー業界では製品の製造および使用により、スコープ 3 の排出量がスコープ 1 と 2 の排出量よりもはるかに多くなります。 

取り組みの進捗状況

2021 年のベリタスのグリーンハウス排出量は、同社最大のコロデータセンタープロバイダによる再生可能エネルギー証明書の調達により、企業のバリューチェーン全体 (スコープ 1、2、3) で 2020 年から 27% 減少しました。また、ベリタスは、インドの社内データセンターを

エネルギー効率に優れたコロデータセンターへ移しました。アップストリームの製品やサービスの消費の減少により、購入した製品やサービスおよび資本財カテゴリの排出量を削減しました。

科学的根拠に基づいた目標に関するベリタスの取り組み

ベリタスは、2019 年を基準年とし、2025 年までにスコープ 1 および 2 の GHG 総排出量を 25% 削減します。また、2019 年を基準年とし、2025 年までに出張によるスコープ 3 の GHG 総排出量を 19% 削減するために全力で取り組んでまいります。この他にも、2019 年を基準年として 2025 年までに販売したアプライアンス 1 台あたり、その製品の使用によるスコープ 3 の GHG 排出量を 17% 削減します。さらに、2025 年までに、販売した製品やサービス、資本財を対象とする支出額に応じて、サプライヤーの 50% が科学的根拠に基づいて目標設定することをお約束します。

Sustainability at Veritas Empowered プログラム

ベリタスの Sustainability at Veritas Empowered (SAVE) 従業員リソースグループは、ベリタスの環境に対する取り組みを支援するため、従業員主導の持続可能性プログラムを実施しています。SAVE チームのメンバーは世界各地のベリタスの拠点に所在しており、ベリタス従業員の環境意識向上と活動促進に向けた現地での取り組みを支援しています。

ベリタスの Environmental Policy Statement (環境ポリシーに関する声明) を読む

サプライチェーンの持続可能性プログラム 

ベリタスは、社内にとどまらず、サプライチェーン全体でも責任のある事業活動を推進しています。ベリタスのグローバルサプライチェーンには、ベリタスの物理的な製品の製造および輸送が含まれ、ティア 1 サプライヤー 6 社が関与しています。ベリタスは、原材料の調達だけでなく、ベリタスのパッケージ製品を組み立てて出荷するサプライヤーの選定と管理も監督します。

品質、企業の社会的責任、運用効率を重視して、お客様およびパートナー様の要求を満たす製品の製造と実現に努めています。

 

サプライチェーンの持続可能性プログラムを構成する 4 つの主な領域

  • RBA の行動規範の遵守: RBA の行動規範と会員要件への準拠。詳細はこちら
  • 電子製品サプライチェーンにおける主な問題: テクノロジ業界で最も重要な問題領域への対応。詳細はこちら
  • 持続可能な製品の生産: 環境に配慮した製品の調達、設計、生産の実現。詳細はこちら
  • サプライヤーの持続可能性に関する活動: サプライヤーと提携して社会や環境への取り組みを監視、改善。詳細はこちら

責任ある企業同盟 (RBA)

2016 年に、ベリタスは RBA に加入しました。責任ある企業同盟 (RBA) の行動規範を自主的に採用したほか、サプライチェーンと一部のティア 1 サプライヤーにも適用しています。2018 年に、ベリタスは RBA の正会員の資格を得ています。

RBA の行動規範は、電子業界のサプライチェーンにおける社会的、環境的、倫理的問題に対する基準を定めたものです。この行動規範で定められている基準は、世界人権宣言、ILO の国際労働基準、OECD の多国籍企業行動指針、ISO 標準、SA 基準など、多くの国際的な規範と基準を反映しています。

RBA の行動規範は、労働条件と労働者の権利保護に関してベリタスが求められる内容を規定しているほか、児童労働、強制労働、強制的労働を禁じ、ベリタスのサプライヤーによる環境と倫理への取り組みを推進しています。

電子製品サプライチェーンの主な問題

グリーンハウスガスの排出

2021 年のベリタスのグリーンハウス排出量は、企業のバリューチェーン全体 (スコープ 1、2、3) で 2020 年度から 27% 減少しました 。

  • 2021 年の製品使用 (アプライアンス) に関する排出量は、2020 年比で 2% 減少
  • 2021 年の購入した製品およびサービスの排出量は、2020 年比で 38% 減少
  • 2021 年、主要サプライヤーの 26% が支出額に基づいて科学的根拠に基づく目標を設定
  • アプライアンスの配送に関する排出量は、積荷あたり 16%、積荷あたりの移動距離 (KM) では 25% 減少

強制労働と人身売買

ベリタスは、社内にとどまらず、サプライチェーン全体で人権を守るよう尽力しています。ベリタスの人権に関するポリシーRBA の行動規範国連グローバル・コンパクトの規定に従い、強制労働、奴隷制、児童労働、人身売買に関してゼロトレランスポリシーを採用しています。

2015 年 3 月 26 日、2015 年現代奴隷法が英国で成立しました。本法は、サプライチェーンでの人身売買および奴隷制の防止方法について正式な声明を公表するよう企業に求めています。

  • 2022 会計年度英国現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください
  • 2021 会計年度英国現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください
  • 2020 会計年度英国現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください
  • 2019 会計年度英現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください
  • 2018 会計年度英現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください
  • 2017 会計年度英国現代奴隷法に関するベリタスによる声明の改正は、こちらをご覧ください
  • 2016 会計年度英国現代奴隷法に関するベリタスの声明は、こちらをご覧ください

ベリタスは、2010 年カリフォルニア州サプライチェーン透明法にも準拠しています。本法は、カリフォルニア州で事業を展開する全世界での年間売上が 1 億ドルを超える小売業者および製造業者に対し、直接的なサプライチェーンから奴隷制と人身売買を撲滅するための取り組みを公表するよう求めています。カリフォルニア州サプライチェーン透明法に対するベリタスの声明については、こちらをご覧ください。

ベリタスはゼロトレランスポリシーを採用しており、すべての従業員と請負業者に対し、人身売買に関連する活動の兆候を見逃さないよう求めています。従業員と請負業者は、本ポリシーの違反の可能性をベリタス EthicsLine まで報告できます。

紛争鉱物

米国証券取引委員会 (「SEC」) は、ドッド・フランク法 (ウォール街改革および消費者保護法) の第 1502 条に基づくルールを採用しました。企業に対し、製造または製造契約する製品に、コンゴ民主共和国 (DRC) またはその他の対象国が原産の紛争鉱物が含まれているかどうかを開示するよう求めています。ベリタスは、ベリタスの紛争鉱物に関するポリシーに規定するとおり、紛争鉱物の供給に関する米国法の目標および目的を支持します。

さらに、このコミットメントを明確に示すために、以下を実施しました。

  • 責任ある鉱物イニシアチブ (RMI) への参加
  • 紛争鉱物に関するポリシーのサプライヤーへの通達
  • サプライヤーに対する CFSI の紛争鉱物報告テンプレート (CMRT) 記入の依頼
  • OECD による、紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンに関するデューデリジェンスガイドラインに沿った、包括的なデューデリジェンスプロセスの策定

詳細については、ベリタスの紛争鉱物に関するレポートをご覧ください。

業界の活動とコラボレーション

持続可能な製品の生産

ベリタスは、エネルギー消費、原材料の使用、ライフサイクル終了の取り扱いといった要素を考慮しながら、当社の製品やサービスがライフサイクル全体を通じて環境に与える影響を最小限に抑えるための新しい方法を常に模索しています。

製品コンプライアンス

ベリタスは、環境に関わる適用可能なすべての法規制への準拠を弊社の取り組みにおける基準とし、環境に悪影響を与えやすい原材料を当社の製品で使用しないようにする革新的な方法を常に模索しています。

ベリタスの製造パートナーとハードウェアサプライヤーはすべて、ISO 9001 と ISO 14001 両方の認定を受けています。

ベリタスは、事業を展開する国ですべての適用法および規制に準拠しています。その対象となる領域は、規制要件、有害物質、WEEE、バッテリ、パッケージ、紛争鉱物、物流です。

電子廃棄物: 製品リサイクル計画

電子機器を再利用およびリサイクルすることにより、耐用年数を延ばし、埋立処分場に送る廃棄物の量を減らします。

再生と再利用は、鉛、水銀、カドミウム、金、銀などの金属が含まれていることの多い電子機器およびその他の電子廃棄物にとって特に重要です。このような金属は、最初の発掘から、適切にリサイクルまたは廃棄されなかった場合の環境汚染の可能性まで、さまざまな面で環境に大きな影響を及ぼします。

ベリタスは、新しい機器の購入を回避するために、スペア部品を再利用する機会や古い製品を再配置する機会を優先させます。耐用年数に達した機器は、信頼できるベンダーに送られ、適切にリサイクルされます。これらのベンダーは、ハードウェアの回収、アセットタグや識別子の取り外し、分別、環境に配慮した方法でのデータ消去、クリーンアップ、破棄手順などのサービスを提供します。ベリタスは、ベリタスアプライアンスのリサイクル回収のためのさまざまな計画に取り組んでいます。計画は各国の規制により異なります。

2021 年、ベリタスは、除去対象の数百台のサーバーとストレージユニットを多数のサイトから回収しました。そのほとんどは返却され、社内のラボやテストユニットで利用されていますが、大部分はリサイクルまたは分解して再販するために発送されました。その結果、ベリタスは 57 トンの資材をベンダーに発送し、この資材の 61% が処理後に再販されました。また、このような製品の再販により、新しいユニットの製造が不要になり、以下の回避につながりました。

  • 800 万 kg の Co2 排出量
  • 40 億リットルの水
  • 未採掘の土壌 5,200 万トン

お客様の地域の回収およびリサイクルの詳細については、ベリタス製品のリサイクルに関する Web サイトをご覧ください。

グリーンロジスティクス

グリーンロジスティクスは、より環境に優しく持続可能なプロセスを使用して構成され、物流による環境的影響を軽減します。

世界中のお客様に提供するために、ベリタスは長距離および短距離用のさまざまな輸送ソリューションを利用する必要があります。

ベリタスは、ハードウェア輸送による排出量を 2030 年までに 30% 削減することを目指しています。このために、環境に配慮したソリューションから選択する機会を提供している業界トップクラスのサステナビリティキャリアと提携し、複数のイニシアチブを通じて輸送による排出量を削減しています。

脱炭素化のオプション:

1.       空輸から鉄道輸送への切り替え

この新しいパートナーシップから生まれた重要なイニシアチブは、GHG を大量に排出するヨーロッパ - 中国路線での飛行機から鉄道への移行でした。ベリタスは、新しい道路および鉄道ネットワークを使用してアイルランドの製造サプライヤー拠点から中国へ何トン分ものハードウェア機器を出荷し、中国の顧客に販売しています。

これにより、排出量を 95% 削減できています。

2.       空輸から海上輸送への切り替え

ベリタスは、海上運送ネットワーク経由で年間約 20 トンの資材をシンガポールへ輸送しています。以前は空輸ネットワーク経由で輸送していました。

この切り替えにより、排出量を 94% 削減できています。

3.       空輸からトラック輸送への切り替え

米国で、ベリタスは、空輸からトラック輸送に移行することで、米国 - カナダ路線の排出量を 90% 削減しました。

4.      排出量を削減するための航空会社の切り替え

ベリタスは、シンガポールへの出荷を予約するための航空会社を変更しました。この航空会社の利用経路により、以前の経路と比べて 20% の削減を実現できています。

5.       カーボンニュートラルな配送

ベリタスのお客様は、アプライアンスの注文時にカーボンニュートラルな配送を付属サービスとして注文できます。サービス型番 (SKU) の名称は Go Green で、お客様は注文したハードウェアをカーボンニュートラル効果のある配送によって受け取ることができます。

Go Green サービスは、ベリタスの輸送業者とのカーボンオフセットプログラムを含んでおり、カーボンオフセットに関する WWF ゴールドスタンダードの非営利組織です。

6.      カーボンニュートラルな航空路線

フランクフルトから上海へのカーボンニュートラルな航空便を利用します。これはアジア太平洋および日本市場へのより高額なルートですが、カーボンニュートラルな路線です。ベリタスの航空会社は、持続可能な航空燃料 (SAF) および追加のカーボンオフセットを購入します。SAF は、化石航空燃料の実際の代替となる最初の燃料です。使用済みの食用油や植物油などに由来する廃棄物から製造されています。SAF ライフサイクルにより、ケロシン燃料による標準航空便の平均 CO2e WTW1 排出量が 80% 削減されます。排出量の残りの 20% はオフセットプログラムを通じて相殺されます。

カーボンニュートラルとは

地球の平均表面温度は、19 世紀後半から約 1.2°C 上昇しています。理由の 1 つが二酸化炭素排出量の増加です。気候危機を回避するために、今まさに対応が迫られています。

「気候中立がもはや選択の問題ではなく必要不可欠であることに疑いの余地はありません」Charles Michel 氏、欧州理事会議長、2020 年 7 月

企業、プロセス、製品は、二酸化炭素排出量を計算し、生成したものをカーボンオフセットプロジェクトを介して相殺したときにカーボンニュートラルとなります。まずは二酸化炭素排出の回避と削減に注力することが重要です。

サプライヤーの持続可能性に関する活動

ベリタスは、サプライチェーンの責任に関するプログラム活動の重点をティア 1 サプライヤーに置いています。ティア 1 サプライヤーとは、ベリタスと直接契約を結び、サービスまたは原材料をベリタスの製品に提供するサプライヤーです。

ベリタスは、RBA の行動規範、社会や環境への責任に関する要件に準拠することをサプライヤーに求めており、サプライヤーとの契約書の中で、社会や環境への責任および行動規範に関わる要件で定められている期待事項に、サプライヤーが従うことを要求しています。

こういった要件を加えることで、サプライヤーが RBA の行動規範を受け入れ (コンプライアンス管理システムの導入を含む)、RBA の自己評価調査票を作成し (その結果をベリタスがレビュー)、RBA の VAP 監査に参加することを促しています。

ベリタスでは、各サプライヤーの RBA 自己評価調査票および RBA の VAP 監査の結果をレビューし、要件などへのサプライヤーの準拠状況を確認しています。