ロボットライブラリ (オートローダー/チェンジャー) またはテープドライブの問題をトラブルシューティングする方法

Article: 100048814
Last Published: 2020-12-07
Ratings: 0 0
Product(s): Backup Exec

問題

ストレージデバイスが Backup Exec の管理コンソールに表示されない。テープドライブまたはテープライブラリがオフラインであったり、ストレージデバイスが見つからない、検出されない、または認識されない。

Veritas で正式にテストされサポートされているハードウェアが、Backup Exec インターフェース (ストレージタブなど) に表示されない場合や、オフラインとして表示される場合、あるいは正常に機能しない場合があります。また、ジョブログや Windows のイベントビューアで特定のエラーが報告される場合があります。

 

エラーメッセージ

次のようなエラーが記録される場合があります。

0xe0008225 - V-79-57344-33317 - ライブラリエラー - バックアップデバイスがありません。

0xe00084ed - V-79-57344-34029 - ハードウェアエラーが発生しました。

0xe000810b - V-79-57344-33035 - 物理ボリュームライブラリのドライブが見つかりません。

0xe00084F5 - V-79-57344-34037 - 使用しているブロックサイズが正しくありません。

0xa00084f0 (デバイスタイムアウトを示す OS エラーです。メッセージテキストは表示されません。)

システムイベントログの Event ID 5/7/9/11/15

 

解決方法

この記事では、ストレージデバイスのトラブルシューティングについて説明しています。

次に示す順序で操作を実行します。

 1. Veritas Quick Assist (VQA) をダウンロードします。

 2. Backup Exec ハードウェア互換性リスト(HCL) をダウンロードし、以下の点を確認します。

  • デバイスが正式にサポートされている
  • 照会文字列が HCL の文字列と一致している
  • デバイスからサーバーへの接続方法がサポートされている

 3. Backup Exec サービスログオンアカウントの権限を確認します。

 4. ハードウェアエラーがないか、システムイベントログを確認します。

 5. オペレーティングシステムがデバイスを正しく検出していることを確認します。

 6. デバイスに対して最新のファームウェアがインストールされていることを確認します。

 7. テープデバイスを制御するサードパーティーのアプリケーションをアンインストールします。

 8. ロボットライブラリデバイスのトラブルシューティングを行う場合:

 9. Discover ツールを使用してハードウェアエラーまたは予約の競合がないかをトラブルシューティングします。

 10. SCSI 問題のトラブルシューティング:

 11. 孤立したデバイスを検出して削除します。

 12. Backup Exec でデバイスを無効化、削除、再有効化します。

 13. Veritas テクニカルサポートお問い合わせ前に、最終のトラブルシューティングステップを行います。

 

1. Veritas Quick Assist (VQA) のダウンロード

Veritas Quick Assist (VQA) はこの記事で紹介している次のトラブルシューティング実行時に役立ちます。

 

2. Backup Execハードウェア互換性リスト (HCL) をダウンロードし、デバイス、照会文字列、および接続方法を確認します。

 a. 次のリンクから使用中の製品バージョンの HCL をダウンロードします。

  Backup Exec Compatibility List Home Page

 b. Veritas Backup Exec がデバイスを正式にサポートしていることを HCL で確認します。

  デバイスによっては、HCL に含まれていなくても Backup Exec によって認識され、機能することがあります。

  ただし、このようなデバイスはテストが行われておらず、Backup Exec で正式にサポートされません。

 c. デバイスの照会文字列 (Inquiry String) と HCL に記載されている照会文字列が一致していることを確認します。

  詳しい確認方法は How to verify that the currently installed drivers will support the robotic library connected to the server を参照してください。

 d. デバイスをサーバーに接続するために使用される接続方法 (iSCSI、USB、SCSI、ファイバー、SAS、IDE、SATA など)がサポートされていることを確認します。

  テープドライブは、以下の技術情報で特に明記されていない限り、RAIDコントローラに接続しないでください。

  RAID 機能を持つホストバスアダプタのサポートポリシー

  多くのデバイスは、複数の接続方法をサポートしています。これらのデバイスは、HCL に複数回記載されています。

  特定のデバイスでサポートされている接続方法が HCL に記載されていない場合もあります。HCL に記載されていない接続方法は、公式にはサポートされていません。

 

3. Backup Exec サービスログオンアカウントの権限を確認します。

この手順では、Veritas Quick Assist (VQA) を使用することもできます。

 a. Backup Exec サービスログオンアカウントがローカル管理者権限を持っていることを確認します (Administrators グループ所属または Built-in Administrator アカウントであることなど)。

  Backup Exec 管理コンソール > 左上の Backup Exec ボタン > 構成と設定 > Backup Exec サービス をクリックします。

 b. How to setup user rights/permissions for Backup Exec Service Account (BESA) for Exchange backups に記載されている権限が、ステップ a. で確認したアカウントに付与されていることを確認します。

 

4. ハードウェアエラーがないか、システムイベントログを確認します。

 a. [ファイル名を指定して実行(R)] に <eventvwr> を入力し、OKボタンをクリックします。

 b. ハードウェアエラーに関する Event ID 5/7/9/11/15 が発生しているかどうかを確認します。

  これらのエラーについては What does Event ID 5/7/9/11/15 mean... を参照してください。

 

5. オペレーティングシステムがデバイスを正しく検出していることを確認します。

Backup Exec がテープデバイスを管理する機能を失った場合は、この確認を繰り返します。

Veritas は、テープデバイスをサージ保護機能のあるバックアップ電源に接続することをお勧めします。ストレージエリアネットワーク (SAN) にあるテープデバイスには、追加の電源が必要になる場合があります。たとえば、テープデバイスを認識するために SAN スイッチの電源が必要な場合があります。

 

6. テープデバイス、ロボットライブラリ、ホストバスアダプタ (HBA: SCSI、SAS、ファイバチャネルコントローラなど) に対して最新のファームウェアがインストールされていることを確認します。

HBA に対しては最新のデバイスドライバーがインストールされていることも確認します。

テープドライブ、ロボットライブラリの最新のファームウェア、HBA の最新ファームウェアおよびデバイスライバーについてはハードウェアの製造元に問い合わせてください。

 

7. テープデバイスを制御するサードパーティーのアプリケーションをアンインストールします。

サードパーティのバックアップアプリケーションがインストールされている場合、そのアプリケーションのサービスが無効になっていても、Backup Exec がテープデバイスと正しく通信できないことがあります。

Backup Exec サービスが実行されているときにテープ診断ツールをインストールしないでください。診断テストが完了したら、テープ診断ツールを削除してください。

 

8. ロボットライブラリデバイスのトラブルシューティングを行う場合:

ロボットライブラリ内で複数のテープドライブを使用している場合、Library Expansion Option (LEO) ライセンスが必要になることがあります。

単体ライセンスの場合は、ロボットライブラリごとに 1 台のテープドライブのサポート、および複数のスタンドアロンテープドライブのサポートが含まれています。

LEO についての詳細は Library Expansion Option (LEO) 確認してください。

 

メディアチェンジャーに対して Microsoft のデフォルトのドライバーがインストールされていることを確認します。(ロボットライブラリデバイスのみ)

 a. [デバイスマネージャ] を開きます。

  [ファイル名を指定して実行(R)] に <devmgmt.msc> を入力し、OKボタンクをリックします。 

 b. [メディアチェンジャーデバイス] を展開し、[不明なメディアチェンジャー] が表示されていることを確認します。

  不明なメディアチェンジャーはデフォルトの Microsoft のドライバがインストールされていることを意味します。

 c. OEM ドライバがインストールされている場合は、デバイスのプロパティの [ドライバー] タブで [ドライバーの更新] をクリックします。

  ドライバーを更新すると Microsoft のドライバがインストールされ、[不明なメディアチェンジャー]と表示されます。

 

9. Discover ツールを使用してハードウェアエラーまたは予約の競合がないかをトラブルシューティングします。

Discover ツールはサーバーに接続しているバックアップデバイスの詳細な属性を出力します。

 a. Backup Exec 関連サービスを停止します。

 b. コマンドプロンプトを開き、Backup Execのインストールフォルダーに移動します。

  デフォルトパスは C:\Program Files\Veritas\Backup Exec です。

 c. 以下のようにコマンドを実行し、結果をテキストファイルとして書き出します。

  Discover.exe > C:\discover.txt

 d. Discover.exe からの出力を読み取る方法については Viewing hardware configuration and detection using Discover.exe を参照してください。

 

10. SCSI 問題のトラブルシューティング:

SCSI チェンジャーサービスが実行されていることを確認します。

この手順では、Veritas Quick Assist (VQA) を使用することもできます。

 a. [ファイル名を指定して実行(R)] に <msinfo32> を入力し、OKボタンをクリックします。

 b. [システム情報] ダイアログボックスで [ソフトウェア環境] を展開し、[システムドライバ] を選択します。

 c. 下にスクロールして SCSIChanger サービスを検索し、[状態] が 実行中 となっていることを確認します。

 

Tracer.exe を使用して Backup Exec サービスの再起動中に SCSI トレースを取得します。

 a. Backup Exec 関連のサービスを停止します。

 b. Backup Execのインストールフォルダーに移動し、Tracer.exe を起動します。

  デフォルトパスは C:\Program Files\Veritas\Backup Exec です。

 c. Tracer.exe が SCSI 情報を収集している間に、Backup Execのインストールフォルダーにある Servicesmgr.exe を使用して Backup Exec サービスを再起動します。

  サービスの再起動後、ハードウェアエラーや予約の競合がないかトレーサーログを確認します。

  トレーサーログの読み取りについては Troubleshooting hardware with Backup Exec for Windows Servers using the SCSI Trace Utility (tracer.exe) を参照してください。

 

11. 孤立したデバイスを検出して削除します。

 a. [デバイスマネージャ]を開きます。
  [ファイル名を指定して実行(R)] に <devmgmt.msc> を入力し、OKボタンをクリックします。

 b. [デバイスマネージャ] の [表示] メニューで、[非表示のデバイスの表示] を選択します。

  この選択により、現在コンピュータでインストール、実行されていないデバイスドライバを含むすべてのデバイスドライバが表示されます。

 c. 次のデバイスを展開し、薄く表示されているデバイスは右クリックしてアンインストールします。

  - メディアチェンジャー

  - テープドライブ

  - SCSI カード

  薄く表示されているデバイスは、ロードされていないためアンインストール可能であることを示します。デバイスのプロパティを表示するとデバイスがコンピューターに接続されていないことを確認できます。

  警告: システムが必要とするデバイスとドライバをアンインストールすると、システムが不安定となり起動できなくなる可能性があります。

 

12. Backup Exec でデバイスを無効化、削除、再有効化します。

 a. [ストレージ]タブで、削除するデバイスを右クリックし、[無効]をクリックします。

 b. デバイスを再び右クリックして、[削除]をクリックします。

 c. ストレージデバイスの削除を確認するダイアログボックスで、[はい]をクリックします。

  [ジョブの再設定] が表示された場合は、移動するジョブを書き留めておき、デバイスの問題解決後、そのジョブを元のデバイスに戻します。

 d. Backup Exec サービスを再起動します。

 

13. Veritas テクニカルサポートにお問い合わせ前に、最終のトラブルシューティングステップを行います。

  • デバイスが正常に動作しているかどうかをデバイス製造元のマニュアルで確認します。
  • デバイス製造元のテクニカルサポートに問い合わせます。HBA などの接続インターフェースとテープ装置は、問い合わせ窓口が異なる場合があります。
  • デバイス製造元のテクニカルサポートがデバイスの正常な機能を確証したにもかかわらず、まだ問題が継続する場合は、 Veritas テクニカルサポート にお問い合わせください。
 

Was this content helpful?