Veritas NetBackup™ Appliance ファイバーチャネルガイド

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Product(s): Appliances (4.1)
Platform: NetBackup Appliance OS
  1. NetBackup ファイバートランスポートと SAN クライアントについて
    1.  
      NetBackup ファイバートランスポートについて
    2. NetBackup SAN クライアントとファイバートランスポートについて
      1.  
        SAN クライアントのライセンスキーについて
  2. FC を使用した複製の最適化と自動イメージレプリケーションについて
    1.  
      アプライアンス間の最適化複製と自動イメージレプリケーション用のファイバートランスポートについて
  3. テープサポートへのバックアップについて
    1.  
      NetBackup Appliance でのテープへのバックアップのサポートについて
  4. VMware のサポート
    1. VMware バックアップホストとしての NetBackup appliance について
      1.  
        バックアップホストとしての NetBackup appliance: コンポーネントの概要
      2.  
        VMware バックアップホストとしての NetBackup appliance に関する注意事項
    2.  
      SAN トランスポートを使用した VMware バックアップのためのアプライアンスの dynamic multi-pathing 機能について
  5. NetBackup Appliance のサポート対象ファイバーチャネル機能
    1.  
      NetBackup Appliance でサポートされているファイバーチャネル機能について
    2.  
      アプライアンスの HBA 構成によるファイバーチャネル機能のサポート
    3.  
      NetBackup Appliance に対してサポートされているデータ転送方法
    4.  
      NetBackup Appliance のファイバートランスポートパスについて
  6. NetBackup Appliance の背面パネルの構成
    1.  
      NetBackup 5240 Appliance の I/O 構成オプション
    2.  
      NetBackup 5240 Appliance の I/O オンボードおよび PCIe ポートの合計数
    3.  
      NetBackup 5250 Appliance の背面パネルの I/O 構成オプション
    4.  
      NetBackup 5330 Appliance 計算ノードの PCIe スロットの I/O 構成オプション
    5.  
      NetBackup 5340 Appliance で利用可能な PCIe ベースの I/O 構成
    6.  
      NetBackup 5350 Appliance で利用可能な PCIe ベースの I/O 構成
  7. HBA ポートモードの構成について
    1.  
      NetBackup 5240 Appliance のサポート対象ファイバーチャネルポートの構成
    2.  
      NetBackup 5250 Appliance のサポート対象ファイバーチャネルの構成
    3.  
      NetBackup 53xx Appliance のサポート対象ファイバーチャネルポートの構成
    4.  
      出荷時のデフォルトポートモード構成について
    5.  
      FTMS、最適化複製、自動イメージレプリケーションのデフォルトのポートモード構成
  8. FC SAN のゾーニング
    1.  
      アプライアンス HBA WWPN を特定する方法
    2.  
      NetBackup Appliance 用の SAN のゾーン化について
    3.  
      NetBackup Appliance シェルメニューでの HBA のリンク状態について
  9. NetBackup Appliance Web コンソール の[ファイバートランスポート (Fibre Transport)]ページについて
    1. 設定 (Settings) > ネットワーク (Network) > ファイバートランスポート (Fibre Transport)
      1.  
        HBA ポートモード構成表について
  10. アプライアンス上でのファイバートランスポートの設定
    1.  
      ファイバートランスポート設定の構成
    2.  
      ファイバートランスポートのメディアサーバーの検証について
    3.  
      複数の SAN クライアント FC イニシエータポートからデータストリームを受信するために NetBackup Appliance の FT ターゲットポートを変更するガイドライン
    4. FC を使用した最適化複製と自動イメージレプリケーションのファイバートランスポートを構成する方法
      1. 他の NetBackup Appliance へのファイバートランスポートの構成
        1.  
          ファイバートランスポートのチャンクサイズについて
      2.  
        ファイバートランスポートターゲットモードの検証について
      3.  
        MSDP レプリケーション用に異なるドメインに NetBackup 52xx/53xx Appliance を 2 台構成する方法
  11.  
    索引

NetBackup Appliance 用の SAN のゾーン化について

NetBackup ファイバートランスポート (FT) メカニズムを設定して使うには、まず SAN を設定して動作可能な状態にする必要があります。

NetBackup Appliance は次の SAN 設定をサポートします。

  • ノードポート (N_Port) 切り替えの構成。

  • ファイバーチャネルアービトレーテッドループ (FC-AL) 構成。

    FC-AL ハブはサポートされていません。

SAN スイッチ構成の場合、適切なゾーン化を行うことで、他の SAN アクティビティで必要になる可能性がある帯域幅がファイバートランスポート通信によって使われることがなくなります。また、適切なゾーン化によりホストバスアダプタ (HBA) ポートが検出するデバイスが限定されます。ポートは他のポートのゾーン内でのみそれらのポートを検出します。ゾーン化しない場合、各 HBA ポートは SAN のすべてのホストからすべての HBA ポートを検出します。デバイス数が多いと、オペレーティングシステムがサポートするデバイス数を超える場合があります。

SAN の設定と管理方法については、NetBackup マニュアルでは説明していません。ただし、次の推奨事項は SAN の通信を最適化するのに役立つことがあります。

表: NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティスでは、NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティスについて説明します。

表: NetBackup Appliance の SAN をゾーン化するためのベストプラクティス

ガイドライン

説明

ゾーンごとに 1 つのイニシエータ、複数のターゲットを受け入れ可能。

Veritas はゾーンごとに 1 つのイニシエータのみを持つゾーンを作成することをお勧めします。すべてのターゲットが類似している場合にのみ、1 つのゾーンに複数のターゲットを受け入れ可能です。

メモ:

2 台の NetBackup 52xx/53xx Appliance 間のデータ複製では、各ゾーンに 1 つのイニシエータおよび 1 つのターゲットのみを含むゾーンを作成する必要があります。

イニシエータに関係なく、テープターゲットリソースはディスクターゲットリソースとは別のゾーンにしてください。ただし、両方のリソースのセットで同じイニシエータを共有することはできます。

1 つのポートを複数のゾーンに対して構成するときは、パフォーマンスの低下に注意してください。

1 つのポートを複数のゾーンのイニシエータまたはターゲットとして使用すると、そのポートがシステム全体のパフォーマンスのボトルネックとなる場合があります。システムのすべての部分で必要となるスループットの合計を分析し、必要に応じてトラフィックフローを最適化する必要があります。

耐障害性のために、接続はポートではなく HBA カードに分散します。

システム接続の可用性を確保するために、共通リソースに対してマルチパスアプローチを組み込む場合には、ゾーン化のように別のカード上のポートをペアにします。この構成は、カード障害が発生した場合にリソースへのパスがすべて失われることを防ぐために役立ちます。

WWN を基に SAN をゾーン化し、デバイスがポートを変更した場合のゾーン移行を容易にします。

WWN に基づいて SAN をゾーン化することを推奨します。スイッチポート構成またはケーブル構造に変更が必要な場合、ゾーンを再作成する必要はありません。

表: アプライアンスゾーン は、SAN トラフィックに使用する必要があるゾーンを説明します。

ゾーンを示した図は、次のリンクから参照できます。

NetBackup Appliance のファイバートランスポートパスについてを参照してください。

メモ:

NetBackup Appliance で HBA ポートを指定する場合、物理ポート ID または WWPN (World Wide Port Name) を使う必要があります。

アプライアンス HBA WWPN を特定する方法を参照してください。

表: アプライアンスゾーン

ゾーン

説明

ファイバートランスポートのバックアップゾーン

ファイバートランスポートのバックアップゾーンには、SAN クライアントとアプライアンス間のファイバートランスポートの通信のみを含める必要があります。

バックアップゾーンには、次の HBA ポートを含めてください。

  • HBA のターゲットポート。このポートをファイバーチャネルスイッチポートに接続します。2 つの HBA がある場合、両方を使うことができます。2 つのポートを使用することで冗長性が得られます。

    メモ:

    NetBackup Appliance に付属の QLogic FC HBA カードは、ターゲットポートに対して、特別な NetBackup ターゲットモードドライバを使います。デフォルトのイニシエータモードのファイバーチャネルドライバは、ターゲットモードドライバに置き換えられます。ターゲットモードドライバは付属の QLogic HBA カードにのみ適用されます。

    物理ポート ID またはワールドワイドポートネーム (World Wide Port Name) でアプライアンスのターゲットポートを定義する必要があります。ターゲットモードドライバの WWPN は、ファイバーチャネル HBA の WWPN から導出されるため一意ではありません。

  • アプライアンスに接続する SAN クライアントの HBA 上のポート。各 SAN クライアントの HBA ポートを同じファイバーチャネルスイッチのポートに接続します。

    ポート ID または WWPN のいずれかで SAN クライアントポートを定義できます。ただし、すべてのデバイスに 1 つの方法を使用した場合、ゾーンの定義および管理がより容易になります。

    SAN クライアント上のポートは標準イニシエータモードドライバを使います。

    複数ストリームのスループットを向上させるには、各 SAN クライアントで、アプライアンス HBA ポートまたはゾーン内のポートのターゲットモードデバイスがすべて検出される必要があります。各アプライアンスの HBA ターゲットポートは 2 台のターゲットモードデバイスを表示します。

  • クライアントポートと HBA ターゲットポートが同じゾーンになるようにスイッチのゾーンを定義します。

Appliance モデルの一部は、ファイバートランスポートに使うことができる 1 つ以上のファイバーチャネル HBA カードを装備しています。アプライアンスにこのカードが含まれていない場合、認定された担当者が承認済みの FC HBA カードをインストールして構成する必要があります。

ファイバートランスポートストレージゾーン

ファイバートランスポートストレージゾーンは、ストレージのソースから宛先までのファイバートランスポートトラフィックを搬送します。

ソースホストは、NetBackup 52xx/53xx Appliance です。ストレージの宛先ホストは、NetBackup Deduplication Appliance または別の NetBackup 52xx/53xx Appliance です。

トラフィックは複製またはバックアップのいずれかになります。複製では、重複排除されたデータがストレージの宛先に送信されます。バックアップの場合は、最初にデータを NetBackup 52xx/53xx Appliance に送信してから NetBackup Deduplication Appliance に送信して格納します。

ストレージゾーンは次の HBA ポートを含む必要があります。

  • NetBackup Appliance の HBA のイニシエータポート - このポートをファイバーチャネルスイッチポートに接続します。バックアップゾーンと同じスイッチである必要はありません。

    複製元は NetBackup 52xx/53xx Appliance です。

    イニシエータポートは標準イニシエータモードドライバを使います。

  • NetBackup 52xx/53xx Appliance ターゲットポート

    複製先は 52xx または 53xx Appliance です。

  • NetBackup Appliance のイニシエータポートと NetBackup Deduplication Appliance のターゲットポートが同じゾーンに存在するように、スイッチのゾーンを定義します。

    メモ:

    2 台の NetBackup 52xx/53xx Appliance 間のデータ複製では、1 つのイニシエータポートと 1 つのターゲットポートのみを含むゾーンを作成する必要があります。

外部テープストレージゾーン

テープライブラリをストレージとして使う場合、そのトラフィック用に別のゾーンを作成します。テープストレージゾーンは NetBackup ファイバートランスポートを使わず、標準イニシエータモードドライバを使います。