インフォメーションセンター

クラウドバックアップ完全ガイド

クラウドとは、インターネットを介してアクセスする、リモートサーバーのネットワークです。これらのサーバーが保存および処理するデータには、世界中のどこからでもアクセスが可能です。

クラウドが誕生してから 10 年以上が経ちますが、広く普及したのはここ数年のことです。普及の背景には、高速インターネット接続の利用が拡大したこと、ストレージやコンピューティングリソースのコストが低下したことなどがあります。

クラウドは従来型のオンプレミスのデータストレージおよびデータ処理のソリューションに優るメリットがいくつもあるため、この数年で評価が高まりました。クラウドのバックアップにはいくつかの種類があり、クラウドプラットフォームの選定時に考慮すべきメリットとデメリットも存在します。この記事では、クラウドバックアップの概要や種類、安全性などについて解説します。

クラウドバックアップの概要と仕組み

コンピュータで実行できるバックアップには、さまざまな種類があります。最も一般的かつ効果的なデータバックアップの方法は、クラウドバックアップサービスを利用することです。クラウドバックアップサービスでは、情報をオフサイトの安全な場所に保管します。この情報には、インターネット接続を介してどこからでもアクセスが可能です。

クラウドバックアップサービスでは、ユーザーのコンピュータからベンダーのサーバーにファイルがコピーされます。ファイルは圧縮され、セキュリティのために暗号化されてから、サーバーに保存されます。バックアップされたファイルにアクセスする必要が生じた場合は、インターネットに接続された任意のデバイスを利用できます。

クラウドバックアップの種類

NetBackup システムを用意し、システムクラッシュなどの事態に備えたり、サイバー脅威への制御を実現したりすることは不可欠です。プシステム内のデータがすべて失われた場合、入力されたデータを保存するバックアップシステムがなければ、情報を復元することはほぼ不可能です。クラウドバックアップには 3 つのタイプがあります。すなわち、フルバックアップ、増分バックアップ、差分バックアップです。

フルバックアップ

フルバックアップは、特定の日付におけるすべてのデータの複製です。このようなクラウドバックアップを実行しておけば、何らかの問題が発生した場合でも、すべてを復元することが可能です。デメリットとしては、大量のストレージ容量を必要とするために、コストが高額になる可能性があることです。フルバックアップは、システム内で毎週実施されます。

増分バックアップ

クラウド上での増分バックアップとは、前回のバックアップ以降に変更されたデータのみを複製することを指します。このようなバックアップは、変更されていないデータは複製しないため、ストレージの観点では効率の良い方法です。デメリットとしては、それぞれの増分バックアップを順番に適用する必要があるため、すべてを復元するのにかかる時間が長期化する可能性があることです。増分バックアップは毎日実行されます。

差分バックアップ

クラウドでの差分バックアップでは、前回のフルバックアップ以降に変更されたすべてのデータを複製します。このようなバックアップは、変更されていないデータは複製しないため、ストレージの観点ではフルバックアップよりも効率的といえます。デメリットとしては、それぞれの差分バックアップを順番に適用する必要があるため、すべてを復元するのにかかる時間が長期化する可能性があることです。増分バックアップと同様、差分バックアップも毎日実行されます。

クラウドバックアップを利用するメリット

クラウド内の監視により IT コストを削減できるなど、クラウドバックアップサービスを利用するメリットは数多くあります。以下では、そのうちのいくつかをご紹介します。

1. ユーザーフレンドリ

クラウドバックアップを利用する最大のメリットの 1 つは、ユーザーフレンドリであるということです。このサービスを利用すると、数クリックでデータを簡単にバックアップできます。ソフトウェアやハードウェアをインストールする必要はなく、ユーザーはインターネット接続があれば、どこからでもバックアップにアクセスできます。

2. アクセシビリティ

クラウドバックアップのもう 1 つの大きなメリットが、アクセシビリティです。ユーザーはインターネット接続があれば、任意のデバイスからバックアップにアクセスできます。つまり、ノート PC、タブレット、スマートフォンなどからファイルを閲覧したり復元したりできるということです。複数の場所からデータにアクセスする必要のあるビジネスにとっては、特に有用なサービスといえるでしょう。

3. セキュリティ

クラウドバックアップは、一般的にハッカーなどの脅威から十分に保護されたサーバーにデータを保存するため、セキュリティが確保されています。また、多くのクラウドバックアップサービスでは、データ保護を強化するために、暗号化オプションを提供しています。

4. コスト効率と信頼性

最後に、クラウドバックアップはコスト効率と信頼性が優れています。iCloud や Dropbox などのサービスでは無料プランが用意されています。有料プランも用意されていますが、非常に手頃な価格で提供されるのが一般的です。また、クラウドバックアップサービスは信頼性が高く、ワークフローに影響を与えかねないサービスの停止や中断はほとんどありません。

クラウドバックアップの潜在的なデメリット

クラウドバックアップには多くのメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットも考慮すべきです。

1. 速度が遅い

クラウドバックアップの潜在的なデメリットの 1 つに、処理速度の低下が見込まれる点があります。これは、データをクラウドサーバーにアップロードする際に時間がかかることがあるためです。クラウドからデータを復元する必要がある場合には、このように速度が遅いことでダウンロードに時間がかかり、生産性に影響が生じることもあります。

2. コストが高額になる場合がある

クラウドバックアップの潜在的なデメリットには、コストが高額になる可能性がある点も挙げられます。これは、クラウドサーバー上のストレージ容量に対して課金されるのが一般的であるためです。また、クラウドから大量のデータをダウンロードする必要がある場合、帯域幅の使用料を支払わなければならないこともあります。

3. コントロールができない

クラウドバックアップのデメリットとしてもう 1 つ挙げられるのは、データに対するコントロールが制限されることです。これは、データが保存されるのが、ユーザー自身が所有または運用しているサーバーではないためです。さらに、クラウドからデータを復元する必要が生じた場合には、プロバイダのプロセスに従わなければならないこともありますが、これに時間がかかる可能性もあります。

クラウドバックアップの安全性

データのバックアップには、さまざまなオプションがあります。ローカルで外付けハードディスクにバックアップしたり、クラウドにバックアップしたりすることなどが可能です。最近では、クラウドにバックアップする方法が普及してきましたが、安全性に問題はないのでしょうか。

結論から言えば、クラウドバックアップでは高い安全性が確保されています。クラウドバックアップは、安全で保護された方法でデータを保存することができますが、評価の高いサービスを調べて選定することが不可欠です。自社に適したクラウドバックアップかどうかを判断するには、以下のポイントを確認しましょう。

1. 暗号化

暗号化は、クラウドバックアップサービスに求める要件として最も重要なものの 1 つです。サービスの選定時には、サーバーサイドとクライアントサイドの両方で暗号化ができるかどうかを確認しましょう。これに対応していれば、データを安全な状態で保護することができ、他のユーザーからアクセスされることもありません。

2. 場所

データがどこで保存されるかということも、確認すべき事項の 1 つです。中には複数の場所でデータを保存するサービスもあります。これは、いずれかの場所が利用できなくなった場合などに有益です。

3. バックアップの頻度

データがどの程度の頻度でバックアップされるかも重要です。1 日に 1 度だけバックアップを行うサービスもあれば、リアルタイムでバックアップを行うサービスもあります。バックアップ頻度の観点でニーズを満たすサービスを選定しましょう。

4. サポート

クラウドバックアップサービスに問題が生じる場合に備え、カスタマーサポートを利用できることは必須の要件です。24 時間 365 日のサポートを提供しているサービスを選びましょう。そうすれば、必要なときにいつでもサポートを受けることができます。

5. 価格

クラウドバックアップサービスの選定時には、価格も重要な要素です。各サービスの価格を比較し、予算に合ったものを選定しましょう。

クラウドストレージとバックアップ

ここまで、クラウドバックアップの詳細について説明してきました。皆さんの中には、クラウドストレージとどのような違いがあるのかと疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。クラウドストレージは、クラウド上にファイルやデータを保存できるサービスです。複数のデバイスからデータにアクセスしたり、他のユーザーとデータを共有したりする場合には、有益なサービスといえるでしょう。しかし、クラウドストレージはバックアップソリューションとは異なることに注意しましょう。すなわち、クラウドストレージは、データ損失に対する保護は提供していないという点です。クラウドストレージアカウントからファイルを削除すると、二度と復元することはできません。

一方、クラウドバックアップはデータのバックアップに特化した設計です。つまり、データ損失に対する保護を提供しており、問題が生じた場合でも簡単にデータを復元できます。また、多くのクラウドバックアップサービスでは、暗号化とバージョン管理を提供しており、さらに強固なデータ保護を実現しています。

では、どちらのほうが優れたサービスなのでしょうか。それは、企業のニーズによって異なります。ファイルを保存し、複数デバイスからアクセスしたい場合には、クラウドストレージが適しているかもしれません。しかし、データを保護したい場合には、クラウドバックアップのほうがよいでしょう。

ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドのバックアップとは、ローカルバックアップとクラウドバックアップを組み合わせたものです。すなわち、データには外付けハードディスクやその他のストレージデバイスへのローカルバックアップ、およびクラウドへのバックアップが実行されます。

ハイブリッドクラウドバックアップの利用にはいくつかのメリットがあります。

  • 1 つ目は、ローカルでのバックアップが失敗した場合、データ損失に対する保護が提供されていることです。

  • 2 つ目は、データが複数の場所で同時にバックアップされるため、クラウドバックアップ単体の場合よりも迅速に実行できることです。

  • 3 つ目は、ローカルでバックアップするファイルとクラウドでバックアップするファイルを選択できるため、データに対する管理性を強化できるということです。

クラウドバックアップに適したユースケース

ビジネスに最も適したバックアップソリューションを選定する場合に、考慮すべき要素は数多くあります。その中で最も重要な要素の 1 つが、クラウドにデータをバックアップするかどうかです。

クラウドバックアップの場合、一般的にバックアップは自動的に実行されます。手動で実行する予定を覚えておく必要はなくなり、時間や手間を省けるようになります。

ベリタスの Cloud Backup は、クラウド上でのデータバックアップを必要とする企業にとって素晴らしい選択肢です。このサービスでは便利な自動バックアップが利用でき、必要とするストレージを柔軟に選択できます。また、データが保護されていることによる安心感も得られます。まさに最高品質のオールインワンパッケージ型サービスです。


Fortune 100 企業の 95% がベリタスのお客様です。また、NetBackup™ は大量のデータのバックアップを検討している大企業にとって第一の選択肢です。  

ベリタスの大企業向けデータ保護サービスがどのように仮想、物理、クラウド、およびレガシーの各ワークロードに対して完全なデータ保護を維持しているかをご確認ください。