Veritas NetBackup™ for DB2 管理者ガイド

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Product(s): NetBackup (9.1)
  1. NetBackup for DB2 の概要
    1.  
      NetBackup for DB2 の機能
    2. NetBackup for DB2 の概要
      1.  
        NetBackup for DB2 コンポーネントについて
      2.  
        NetBackup for DB2 の用語について
  2. NetBackup for DB2 のインストール
    1.  
      NetBackup for DB2 のインストールの計画
    2. オペレーティングシステムおよびプラットフォームの互換性の確認
      1.  
        NetBackup サーバーおよびクライアントの要件
      2.  
        DB2 サーバーソフトウェアの要件
      3.  
        NetBackup クラスタ内の SAP MaxDB、SAP Oracle、SAP HANA 向け NetBackup を使用するための必要条件
    3.  
      NetBackup for DB2 のライセンスについて
    4. ログアーカイブについて
      1.  
        VENDOR アーカイブ方式の使用
      2.  
        UserExit アーカイブ方式の使用
    5.  
      DB2 ホームパスの指定 (UNIX)
    6.  
      新しい DB2 インスタンスの追加について
  3. NetBackup for DB2 の構成
    1.  
      NetBackup for DB2 の構成の概要
    2.  
      NetBackup for DB2 ログファイルの権限について(UNIX)
    3. DB2 用のバックアップポリシーの構成について
      1.  
        NetBackup for DB2 ポリシーの追加
      2.  
        ポリシー属性について
      3.  
        ポリシーへのクライアントの追加
      4.  
        NetBackup for DB2 クライアント用のマスターサーバーの指定
      5.  
        構成ファイルのバックアップを行うためのポリシーの構成
      6.  
        [1 クライアントあたりの最大ジョブ数 (Maximum jobs per client)]の構成
    4. DB2 ポリシーへのバックアップ対象の追加について
      1.  
        バックアップスケジュール、テンプレートおよびスクリプトについて
      2.  
        NetBackup 管理コンソールでの[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのテンプレートの追加
      3.  
        NetBackup 管理コンソールでの[バックアップ対象 (Backup Selections)]リストへのスクリプトの追加
    5.  
      アプリケーションバックアップスケジュールの構成
    6.  
      アプリケーションバックアップスケジュールの例
    7.  
      自動バックアップスケジュールの構成
    8.  
      自動バックアップスケジュールの例
    9.  
      スケジュールプロパティについて
    10.  
      NetBackup for DB2 のバックアップ形式
    11.  
      手動バックアップの実行
    12.  
      ホスト管理での自動検出されたマッピングの確認
    13. UserExit プログラムを使用したアーカイブログファイルのバックアップについて
      1.  
        バックアップウィンドウで表示される DB2 オブジェクト
      2.  
        アーカイブログのバックアップを行うためのポリシーの構成
      3.  
        アーカイブログをアーカイブするためのポリシーの構成
    14. 実行時環境の構成
      1. UserExit プログラムで使用する場合の db2.conf ファイルの作成
        1.  
          ARCFUNC SAVE を使う db2.conf ファイルの例
        2.  
          ARCFUNC COPY を使う db2.conf ファイルの例
      2. db2.conf ファイルの作成 (VENDOR 方式)
        1.  
          db2.conf ファイルの例 (VENDOR 方式)
      3. クラスタ環境での bp.conf ファイルの構成
        1.  
          マスター bp.conf ファイルの構成
        2.  
          ユーザーの bp.conf ファイルの構成
      4.  
        db2.conf ファイルのキーワード
      5.  
        NetBackup for DB2 の構成変数
      6.  
        NetBackup for DB2 用 NetBackup Client Service のログオンアカウントの構成
    15. NetBackup for DB2 のテンプレートとシェルスクリプトについて
      1.  
        クライアントからの NetBackup マスターサーバーの指定
      2.  
        NetBackup for DB2 バックアップウィザードを使用したバックアップテンプレートの作成
      3.  
        bpdbsbdb2 を使用したシェルスクリプトの作成
      4. DB2 スクリプトの手動での作成
        1.  
          DB2 バックアップおよびインストールスクリプトの修正
        2.  
          スクリプトパラメータ
      5.  
        NetBackup のテンプレートとシェルスクリプトの格納について
  4. DB2 のバックアップおよびリストアの実行
    1.  
      NetBackup for DB2 のバックアップの概要
    2.  
      NetBackup マスターサーバーからのバックアップについて
    3. ユーザー主導バックアップ
      1.  
        DB2 テンプレートの管理インターフェースを使ったユーザー主導バックアップの実行
      2.  
        bpdbsbdb2 を使ったユーザー主導バックアップの実行
      3.  
        DB2 を使ったユーザー主導バックアップの実行
      4.  
        BACKUP DATABASE コマンドのオプション
    4.  
      バックアップ、アーカイブおよびリストアインターフェースを使った DB2 リソースの表示
    5.  
      bplist を使った DB2 バックアップイメージの表示について
    6. データベースのリストアを実行します
      1. NetBackup for DB2 リカバリウィザードの使用
        1.  
          リストアするファイルの選択
        2.  
          リカバリウィザードの使用
        3.  
          bpdbsbdb2 を使ったデータベースのリストア
      2. DB2 を使用したリストアの実行
        1.  
          DB2 データベースのリストアおよびリカバリ: 指定されたカタログ名の使用
        2.  
          DB2 データベースのリカバリ: 最も簡単な例
        3.  
          DB2 データベースのリカバリ: アーカイブログのリストア
        4.  
          RESTORE DATABASE コマンドのオプション
    7. 代替リストアについて
      1.  
        代替リストア用のマスターサーバーの準備
      2.  
        クライアント上での代替リストアの実行
      3.  
        トランザクションログのリストア
  5. NetBackup for DB2 を併用した Snapshot Client の使用
    1.  
      Snapshot Client 機能を併用する NetBackup for DB2
    2. Snapshot Client を併用した NetBackup for DB2 の操作について
      1.  
        Snapshot Client 方式を使う NetBackup for DB2 のバックアップ処理のシーケンスについて
      2.  
        Snapshot Client 方式を使う NetBackup for DB2 のリストア処理のシーケンスについて
      3.  
        拡張バックアップ方式でサポートされるデータベースオブジェクトについて
      4.  
        複数ストリームおよび DB2 スナップショットバックアップについて
      5.  
        シンボリックリンクと DB2 バックアップおよびリストアについて (UNIX)
      6.  
        NetBackup for DB2 のストリームベースの処理
      7.  
        NetBackup for DB2 のファイルベースの処理
      8.  
        例: DB2 スナップショットバックアップの複数セッション
    3.  
      NetBackup for DB2 による Snapshot Client の構成について
    4.  
      NetBackup for DB2 のスナップショットバックアップの構成要件
    5.  
      NetBackup for DB2 のスナップショットポリシーの構成
    6.  
      スナップショットポリシーの db2.conf の設定について
    7. スナップショットバックアップからの NetBackup for DB2 のリストア
      1.  
        NetBackup for DB2 スナップショットバックアップからの個々のファイルのリストアについて
      2.  
        NetBackup for DB2 でのスナップショットロールバックを使用したボリュームおよびファイルシステムのリストアについて
      3.  
        NetBackup for DB2 で指定した時点への SnapVault バックアップからのロールバックリストアの実行 (UNIX)
      4.  
        Java または Windows インターフェースからのスナップショットロールバックリストアの実行
      5.  
        コマンドラインからのスナップショットロールバックリストアの実行
      6.  
        NetBackup for DB2 ロールバックリストアのトラブルシューティング
    8. UNIX の NetBackup for DB2 Block Level Incremental バックアップの構成について
      1.  
        BLI と NetBackup for DB2 の連携方法 (UNIX)
      2.  
        Storage Checkpoint 機能と NetBackup for DB2 について
      3.  
        NetBackup for DB2 の BLI バックアップの構成要件
      4.  
        NetBackup for DB2 クライアントでの Storage Checkpoint の構成
      5. NetBackup for DB2 を使用した BLI バックアップポリシーの構成
        1.  
          NetBackup for DB2 BLI バックアップ形式について
      6.  
        NetBackup for DB2 を使う BLI 増分バックアップオプション
    9. Snapshot Client の影響について
      1.  
        Snapshot Client ソフトウェアがバックアップ形式にどのように影響するか
      2.  
        Snapshot Client ソフトウェアがスケジュールのプロパティにどのように影響するか
      3.  
        Snapshot Client ソフトウェアがテンプレートとスクリプトに与える影響
    10.  
      Snapshot Client 方式を使う NetBackup for DB2 バックアップの実行
    11.  
      Snapshot Client 方式を使う NetBackup for DB2 リストアの実行
  6. NetBackup for DB2 のトラブルシューティング
    1.  
      NetBackup のデバッグログとレポート
    2.  
      NetBackup for DB2 クライアントのデバッグログの自動的な有効化 (Windows)
    3.  
      デバッグログの手動での有効化 (Windows)
    4.  
      デバッグログの手動での有効化 (UNIX)
    5. NetBackup for DB2 のログファイルについて
      1.  
        Windows データベースクライアントの bphdb ディレクトリについて
      2.  
        UNIX データベースクライアント上の bphdb ディレクトリについて
      3.  
        UNIX データベースクライアント上の bpdb2 ディレクトリについて
      4.  
        クライアントの bpdbsbdb2 ディレクトリについて
    6.  
      Windows クライアントのデバッグレベルの設定
    7.  
      UNIX クライアントのデバッグレベルの設定
    8.  
      NetBackup サーバーのレポートについて
    9.  
      大規模なデータベースのリストアにおけるタイムアウトエラーの最小化
    10.  
      データベースバックアップのテープのロードとアンロード回数の最小化
    11.  
      NET_BUFFER_SZ ファイルを使ったリストア速度の改善
    12.  
      アクティビティモニターでのリストアの失敗の誤った通知について
    13.  
      エラーメッセージコードについて
    14.  
      バックアップジョブ完了の遅延
  7. 付録 A. DB2 EEE (DPF) 環境用の構成
    1.  
      DB2 EEE (DPF) 環境のインストールと構成の概要
    2.  
      EEE 環境での NetBackup for DB2 の構成
    3.  
      DB2 EEE 環境用の NetBackup ポリシーの追加
    4.  
      DB2 EEE 環境でのアーカイブログのバックアップ
    5.  
      DB2 EEE 環境用の DB2 テンプレートまたはスクリプトの作成
  8. 付録 B. SAP® を併用した NetBackup for DB2 の使用
    1.  
      SAP を併用した NetBackup for DB2 について
    2.  
      DB2 UserExit プログラムのインストール
    3.  
      SAP によって使われる DB2 データベースのバックアップとリストア
    4.  
      SAP によって使われる DB2 ログファイルのアーカイブとリストア
    5.  
      SAP ファイルのバックアップ
  9. 付録 C. 承認を受けた場所の登録
    1.  
      NetBackup データベースのスクリプトベースポリシーで使用する承認を受けた場所の登録
  10.  
    索引

NetBackup for DB2 を使う BLI 増分バックアップオプション

DB2 の BLI 増分バックアップは複数の方法で開始できます。特別な設定が不要なのでマスターサーバーから開始する方法を推奨します。操作の制約によりクライアントホストでバックアップを開始する必要がある場合には 2 つのオプションを設定できます。

メモ:

現在、Microsoft Windows クライアントの DB2 スナップショットバックアップでは BLI はサポートされていません。このセクションの例では UNIX Bourne シェル構文を使います。異なるシェルを使う場合は必要に応じて修正します。

以下の 3 つのオプションで DB2 の BLI 増分バックアップを開始する方法を説明します。一部のオプションでは、使うポリシー設定の例とバックアップスクリプトの修正方法も示します。

サーバーで開始する DB2 の BLI 増分バックアップ (推奨)

マスターサーバーから BLI バックアップを開始することを推奨します。自動スケジュールとバックアップ対象 (スクリプトまたはテンプレート) を使って BLI バックアップを開始します。NetBackup で開始を制御するために必要な特別な設定はありません。ポリシーとスケジュールの情報はマスターサーバーからクライアントに提供されます。エージェントはポリシーとスケジュールの情報を問い合わせて適切な種類のチェックポイント (完全、累積増分、差分増分) を実行します。

環境変数を使ってクライアントで開始する DB2 の BLI 増分バックアップ

クライアントでバックアップを開始する場合は、デフォルトで db2.conf ファイルのスケジュールを使います。完全バックアップと増分バックアップの両方を実行する場合は、バックアップスクリプトを拡張する必要があります。正しい種類のスケジュールと関連付けられたチェックポイントを使っていることを確認するように拡張します。この拡張は、バックアップを開始する前にマスターサーバーが設定する環境変数と同じ環境変数を設定すると実行できます。

  • DB2 バックアップポリシーで適切な自動完全バックアップ、自動累積増分バックアップ、自動差分増分バックアップのスケジュールを作成します。

  • エージェントプログラムを実行する前に、使う自動スケジュールを指定する環境変数を設定します。

  • $DB2_Instance_Home ディレクトリに db2.conf ファイルを 1 つ作成します。アプリケーションバックアップスケジュールの名前が付いた一連のデータベースのスケジュールキーワードを更新して、起きる可能性があるストリームベースのバックアップに使います。次の例では、値は自動スケジュール名で上書きされます。

次に、スナップショットバックアップの自動スケジュールとストリームベースバックアップのアプリケーションスケジュールを設定するポリシーの例を示します。

master$ bpplsched DB2_Policy -L | egrep '^Schedule:|^  Type:'
Schedule:              Full
  Type:                FULL SDB2 (0)
Schedule:              Cum
  Type:                CINC (4)
Schedule:              Diff
  Type:                INCR (1)
Schedule:              Default-Application-Backup
  Type:                UBAK DB2 (2)

ポリシーは 1 つの db2.conf ファイルのみを含み、ストリームベースのバックアップに設定されています。

client$ head -4 $DB2_Instance_Home/db2.conf
DATABASE SAMPLE
OBJECTTYPE DATABASE
POLICY DB2_Policy
SCHEDULE Default-Application-Backup

バックアップを開始する前に、バックアップスクリプトは適切な環境変数を設定してエクスポートします。

DB2_INCR=0
DB2_CINC=0
DB2_FULL=0
if [ <some_condition> ]; then
  DB2_INCR=1
  DB2_SCHED="Diff"
elif [ <some_other_condition> ]; then
  DB2_CINC=1
  DB2_SCHED="Cum"
else
  DB2_FULL=1
  DB2_SCHED="Full"
fi

DB2_POLICY=DB2_Policy
DB2_SCHEDULED=1

export DB2_INCR DB2_CINC DB2_FULL DB2_SCHED DB2_POLICY DB2_SCHEDULED

/usr/openv/netbackup/bin/bpdb2proxy <options>
# or 
/usr/openv/netbackup/bin/bpdbsbdb2 <options>
複数の db2.conf ファイルを使ってクライアントで開始する DB2 の BLI 増分バックアップ

クライアントでバックアップを開始する場合は、デフォルトで db2.conf ファイルのスケジュールを使います。db2.conf ファイルは特定のデータベースに 1 つのポリシーとスケジュールのみを指定できます。完全バックアップと増分バックアップの両方を実行する場合は、バックアップスクリプトを拡張する必要があります。正しい種類のスケジュールと関連付けられたチェックポイントを使っていることを確認するように拡張します。バックアップを開始する前に db2.conf ファイルを更新すると、この拡張を実行できます。

  • DB2 バックアップポリシーで適切な自動完全バックアップ、自動累積増分バックアップ、自動差分増分バックアップのスケジュールを作成します。

  • 各スケジュールに使う db2.conf ファイルを作成します。各ファイルで、一連のデータベースのスケジュールキーワードを関連付けられたスケジュール名で更新します。

  • エージェントプログラムを実行する前に、所定の場所に適切な db2.conf ファイルをコピーします。

次に、スナップショットバックアップの自動スケジュールとストリームベースバックアップのアプリケーションスケジュールを設定するポリシーの例を示します。

master$ bpplsched DB2_DB_Policy -L | egrep '^Schedule:|^  Type:'
Schedule:              Full
  Type:                FULL SDB2 (0)
Schedule:              Cum
  Type:                CINC (4)
Schedule:              Diff
  Type:                INCR (1)
Schedule:              Default-Application-Backup
  Type:                UBAK DB2 (2)

ポリシーには 3 つの db2.conf ファイル (それぞれの種類の自動バックアップスケジュールに 1 つ) があります。

client$ head -4 db2.conf.with_full_schedule
DATABASE SAMPLE
OBJECTTYPE DATABASE
POLICY DB2_DB_Policy
SCHEDULE Full 

client$ head -4 db2.conf.with_cum_schedule
DATABASE SAMPLE
OBJECTTYPE DATABASE
POLICY DB2_DB_Policy
SCHEDULE Cum 

client$ head -4 db2.conf.with_diff_schedule
DATABASE SAMPLE
OBJECTTYPE DATABASE
POLICY DB2_DB_Policy
SCHEDULE Diff

バックアップを開始する前に、バックアップスクリプトは所定の場所に正しい db2.conf ファイルをコピーします。

... <setup the rest of the DB2 backup environment> ...

if [ <some_condition> ]; then
  cp db2.conf.with_diff_sched $DB2_Instance_Home/db2.conf
elif [ <some_other_condition> ]; then
  cp db2.conf.with_cum_sched $DB2_Instance_Home /db2.conf
else
  cp db2.conf.with_full_sched $DB2_Instance_Home /db2.conf
fi

/usr/openv/netbackup/bin/bpdb2proxy <options>
# or 
/usr/openv/netbackup/bin/bpdbsbdb2 <options>