Veritas NetBackup™ Appliance セキュリティガイド

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Product(s): Appliances (3.3.0.1)
Platform: NetBackup Appliance OS
  1. NetBackup appliance セキュリティガイドについて
    1.  
      NetBackup appliance セキュリティガイドについて
  2. ユーザー認証
    1. NetBackup Appliance のユーザー認証について
      1.  
        NetBackup アプライアンスで認証できるユーザーの種類
    2. ユーザー認証の設定について
      1.  
        一般的なユーザー認証ガイドライン
    3.  
      LDAP ユーザーの認証について
    4.  
      Active Directory ユーザーの認証について
    5.  
      スマートカードとデジタル証明書を使用した認証について
    6.  
      Kerberos-NIS ユーザーの認証について
    7.  
      アプライアンスのログインバナーについて
    8. ユーザー名とパスワードの仕様について
      1.  
        STIG 準拠パスワードポリシールールについて
  3. ユーザー権限の確認
    1.  
      NetBackup appliance におけるユーザー認可について
    2. NetBackup Appliance ユーザーの認可について
      1.  
        NetBackup appliance ユーザー役割権限
    3.  
      管理者ユーザーのロールについて
    4.  
      NetBackupCLI ユーザーロールについて
    5.  
      NetBackup でのユーザー権限の確認について
  4. 侵入防止、侵入検知システム
    1.  
      NetBackup appliance の Symantec Data Center Security について
    2.  
      NetBackup appliance の侵入防止システムについて
    3.  
      NetBackup appliance の侵入検知システムについて
    4.  
      NetBackup アプライアンスの SDCS イベントの見直し
    5.  
      NetBackup アプライアンスでのアンマネージモードでの SDCS の実行
    6.  
      NetBackup アプライアンスでのマネージモードでの SDCS の実行
  5. ログファイル
    1.  
      NetBackup appliance のログファイルについて
    2.  
      Support コマンドの使用によるログファイルの表示
    3.  
      Browse コマンドを使用した NetBackup appliance ログファイルの参照場所
    4.  
      NetBackup Appliance でのデバイスログの収集
    5.  
      ログ転送機能の概要
  6. オペレーティングシステムのセキュリティ
    1.  
      NetBackup アプライアンスのオペレーティングシステムのセキュリティについて
    2.  
      NetBackup appliance の OS の主要コンポーネント
    3.  
      NetBackup appliance の脆弱性スキャン
  7. データセキュリティ
    1.  
      データセキュリティについて
    2.  
      データ整合性について
    3.  
      データの分類について
    4. データの暗号化について
      1.  
        KMS サポート
  8. Web セキュリティ
    1.  
      SSL の使用について
    2.  
      サードパーティの SSL 証明書の実装
  9. ネットワークセキュリティ
    1.  
      IPsec チャネル設定について
    2.  
      NetBackup appliance ポートについて
    3.  
      NetBackup Appliance ファイアウォールについて
  10. コールホームセキュリティ
    1. AutoSupport について
      1.  
        データセキュリティ基準
    2. コールホームについて
      1.  
        NetBackup Appliance シェルメニューからのコールホームの構成
      2.  
        アプライアンスシェルメニューからのコールホームの有効化と無効化
      3.  
        NetBackup Appliance シェルメニューからのコールホームプロキシサーバーの構成
      4.  
        コールホームワークフローの理解
    3. SNMP について
      1.  
        MIB (Management Information Base) について
  11. リモート管理モジュール (RMM) セキュリティ
    1.  
      IPMI 設定の紹介
    2.  
      推奨される IPMI 設定
    3.  
      RMM ポート
    4.  
      リモート管理モジュールでの SSH の有効化
    5.  
      デフォルトの IPMI SSL 証明書の置換
  12. STIG と FIPS への準拠
    1.  
      NetBackup appliance に関する OS STIG の強化
    2.  
      適用外の STIG の強化ルール
    3.  
      NetBackup appliance における FIPS 140-2 への準拠
  13. 付録 A. セキュリティのリリース内容
    1.  
      NetBackup Appliance のセキュリティリリース内容
  14.  
    索引

KMS サポート

NetBackup appliance は、NetBackup Enterprise Server 7.1 に統合されている NetBackup Key Management Service (KMS) を使った暗号化をサポートします。KMS は、マスターサーバーアプライアンスとメディアサーバーアプライアンスでサポートされます。データ暗号化キーを再生成することは、アプライアンスのマスターサーバーで KMS をリカバリする場合にサポートされている唯一の方法です。

次に、KMS の主な機能について説明します。

  • 追加のライセンスは必要ありません。

  • マスターサーバーベースの対称キー管理サービスです。

  • テープデバイスがそれまたは別の NetBackup appliance に接続されているマスターサーバーとして管理できます。

  • T10 基準 (LTO4 や LTO5 など) に準拠しているテープドライブの対称暗号化キーを管理します。

  • ボリュームプールベースのテープ暗号化を使うように設計されています。

  • 組み込みのハードウェア暗号化機能のあるテープハードウェアによって使うことができます。

  • NetBackup CLI 管理者が NetBackup Appliance シェルメニューまたは KMS コマンドラインインターフェース (CLI) を使って管理できます。

KMS で使われるキーについて

KMS はパスコードからキーを生成するか、キーを自動生成します。表: KMS ファイルは、キーの情報を保持する KMS と関連付けられているファイルの一覧を示します。

表: KMS ファイル

KMS ファイル

説明

場所

キーファイルまたはキーデータベース

このファイルにはデータ暗号化キーが含まれるので、KMS にとって重要です。

/usr/openv/kms/db/KMS_DATA.dat

ホストマスターキー (Host Master Key)

このファイルには、AES 256 を使って KMS_DATA.dat キーファイルを暗号化して保護する暗号化キーが含まれます。

/usr/openv/kms/key/KMS_HMKF.dat

キーの保護キー (Key Protection Key)

この暗号化キーは、AES 256 を使って KMS_DATA.dat キーファイルの個別のレコードを暗号化して保護します。現時点では、すべてのレコードを暗号化するために同じ保護キーが使われています。

/usr/openv/kms/key/KMS_KPKF.dat

KMS の構成

アプライアンスマスターサーバーで KMS を構成するには、NetBackupCLI ユーザーとしてログインする必要があります。このユーザーについて詳しくは、次のトピックを参照してください。

NetBackupCLI ユーザーロールについてを参照してください。

NetBackupCLI ユーザーを作成するには、『NetBackup Appliance コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

以下に、アプライアンスで KMS を構成して有効にする方法について説明します。

アプライアンスで KMS を構成して有効にするには

  1. NetBackupCLI ユーザーとしてアプライアンスマスターサーバーにログインします。
  2. 次のように nbkms コマンドを使用して空のデータベースを作成します。

    [nbcli@myappliance~]# nbkms -createemptydb

  3. nbkms を起動します。次に例を示します。

    [nbcli@myappliance~]# nbkms

  4. キーグループを作成します。次に例を示します。

    [nbcli@myappliance~]# nbkmsutil -createkg -kgname KMSKeyGroupName

  5. アクティブなキーを作成します。次に例を示します。

    [nbcli@myappliance~]# nbkmsutil -createkey -kgname KMSKeyGroupName -keyname KMS KeyName

MSDP に対する KMS 暗号化の有効化

KMS が構成されマスターサーバーで実行されると、マスターサーバーに関連付けられているすべてのメディアサーバー上の MSDP に対して KMS 暗号化を有効にすることができます。

アプライアンスメディアサーバーで MSDP に対して KMS 暗号化を有効にするには、NetBackupCLI ユーザーとしてログインする必要があります。このユーザーについて詳しくは、次のトピックを参照してください。

NetBackupCLI ユーザーロールについてを参照してください。

NetBackupCLI ユーザーを作成するには、『NetBackup Appliance コマンドリファレンスガイド』を参照してください。

以下に、アプライアンスで MSDP に対して KMS 暗号化を有効にする方法について説明します。

MSDP に対して KMS 暗号化を有効にするには

  1. NetBackup CLI ユーザーとしてアプライアンスメディアサーバーにログインします。
  2. 次のオプションを以下の順序で変更します。
    • nbcli@myappliance:~> pdcfg --write=/msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=KMSOptions --option=KMSType --value=0

    • nbcli@myappliance:~> pdcfg --write=/msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=KMSOptions --option=KMSServerName --value=<master server hostname>

    • nbcli@myappliance:~> pdcfg --write=/msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=KMSOptions --option=KMSKeyGroupName --value=msdp

    • nbcli@myappliance:~> pdcfg --write=/msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=KMSOptions --option=KeyName --value=<KMS KeyName>

    • nbcli@myappliance:~> pdcfg --write=/msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=KMSOptions --option=KMSEnable --value=true

    • pdcfg --write= /msdp/data/dp1/pdvol/etc/puredisk/contentrouter.cfg --section=ContentRouter --option=ServerOptions --value=verify_so_references,fast,encrypt

      この手順をマスターサーバーに関連付けられているすべてのメディアサーバーで繰り返します。

  3. NetBackup Web アプリケーションにログオンして、システムで自分自身を識別します。次のコマンドを実行します。

    bpnbat -login -loginType WEB

    Authentication Broker: ApplianceHostname

    Authentication Port: 0

    Authentication Type: unixpwd

    LoginName: Username

    Password: Password

  4. KMS が NetBackup Web サービスに登録されていることを確認します。

    nbkmscmd -discoverNbkms

  5. 次のコマンドを使用して、NetBackup サービスを停止して再起動します。
    • bp.kill_all

    • bp.start_all

  6. メディアサーバーで MSDP に対して KMS 暗号化が有効になっていることを確認するには、サーバーでバックアップジョブを実行してから、次のコマンドを実行します。

    crcontrol --getmode