NetBackup™ Web UI VMware 管理者ガイド
インテリジェント VM グループの作成
問い合わせと呼ばれるフィルタのセットに基づいて、インテリジェント VM グループを作成できます。NetBackup は、問い合わせに基づいて自動的に仮想マシンを選択し、それらをグループに追加します。その後、グループに保護を適用できます。インテリジェントグループでは、VM 環境内の変更が自動的に反映されるため、グループ内の VM のリストを手動で修正する必要がないことに注意してください。
メモ:
VMware サーバーの VM の検出が、自動検出の間隔に従って設定された間隔で実行されます (デフォルトの間隔は 8 時間です)。問い合わせが選択できる状態になるには、Web UI が各サーバー上の VM を検出する必要があります。VMware サーバーが Web UI に最近追加された場合、その VM は検出されない可能性があります。このオプションについて詳しくは、次の情報を参照してください。
VMware 資産の自動検出の間隔の変更を参照してください。
VM をすぐに検出する方法については、次の情報を参照してください。
VMware サーバーの資産の手動での検出を参照してください。
インテリジェント VM グループを作成するには
- 左側で[作業負荷 (Workloads)]、[VMware]の順にクリックします。
- [インテリジェント VM グループ (Intelligent VM groups)]タブ、[追加 (Add)]の順にクリックします。
- グループの名前と説明を入力します。
- 適切な VMware サーバーを選択します。
次のいずれかを実行します。
[すべての VM を含める (Include all VMs)]を選択します。
このオプションでは、デフォルトの問い合わせを使用して、保護計画の実行時に vCenter または ESXi に現在あるすべての VM をバックアップ対象として選択します。
特定の条件を満たす VM のみを選択するには、独自の問い合わせを作成するために[条件の追加 (Add condition)]をクリックします。
- 条件を追加するには、ドロップダウンを使用してキーワードと演算子を選択し、値を入力します。
この手順の後に、オプションについて説明しますインテリジェント VM グループ作成のための問い合わせオプション。
こちらに例もあります。問い合わせの例
問い合わせの効果を変更するには、[条件 (Condition)]をクリックし、[AND]または[OR]をクリックして、条件のキーワード、演算子、値を選択します。次に例を示します。
必要に応じて、条件にサブクエリーを追加することもできます。[サブクエリー (Sub-query)]をクリックし、[AND]または[OR]をクリックしてから、サブクエリーの条件のキーワード、演算子、値を選択します。次に例を示します。
- 問い合わせをテストするには、[プレビュー (Preview)]をクリックします。
問い合わせベースの選択処理は動的です。仮想環境の変更は、保護計画の実行時に問い合わせが選択する仮想マシンに影響する可能性があります。その結果、保護計画が後で実行されたときに問い合わせが選択する VM が、プレビューに現在表示されているものと同一でなくなる可能性があります。
- グループを保護計画に追加せずに保存するには、[追加 (Add)]をクリックします。
保存して保護計画に追加するには、[追加と保護 (Add and protect)]をクリックして計画を選択し、[保護する (Protect)]をクリックします。
メモ:
[プレビュー (Preview)]をクリックするかグループを保存した場合、グループの VM を選択するときに、問い合わせオプションでは大文字小文字が区別されます。[仮想マシン (Virtual machine)]で、グループに選択されていない VM をクリックすると、[仮想マシングループのメンバー (Member of virtual machine groups)]フィールドは
none
になります。ただし、保護計画にグループを追加したときに、保護計画のバックアップが実行されると、一部の問い合わせオプションは、大文字と小文字が区別されないものとして扱われます。その結果、同じ VM がグループに含められてバックアップされる場合があります。
各オプションの大文字小文字関連の動作は、「インテリジェント VM グループ作成のための問い合わせオプション」を参照してください。
インテリジェント VM グループについては、次の点に注意してください。
[インテリジェント VM グループ (Intelligent VM groups)]で問い合わせを使用する場合、問い合わせ条件に英語以外の文字が含まれていると、問い合わせに一致する正確な VM のリストが NetBackup Web UI に表示されないことがあります。ただし、バックアップ中は、VM の属性が英語以外でも、正しい VM が選択されます。
任意の属性に not equals フィルタ条件を使用すると、属性に値が存在しない (null) 資産を含む資産が返されます。tag などの複数値の属性では、属性値のうち少なくとも 1 つに一致しないと資産は戻されません。
インテリジェント VM グループのサーバーが更新されると、インテリジェントグループが新しいサーバー名前空間に登録されるため、そのインテリジェントグループに設定されているすべての既存のアクセス定義は削除されます。更新されたインテリジェントグループに新しいアクセス定義を追加する必要があります。
表: 問い合わせキーワード
キーワード |
説明 |
保護計画の実行時に大文字と小文字が区別される |
---|---|---|
annotation |
vSphere Client の VM の注釈に追加されるテキスト。 |
はい |
connectionState |
ESX Server への VM 接続の状態。たとえば、仮想マシンの ESX Server が停止している場合、その仮想マシンは接続されていません。 |
いいえ |
cluster |
VM が存在するクラスタ (ESXi Server のグループ) の名前。 |
いいえ |
datacenter |
データセンターの名前。 |
いいえ |
datacenterPath |
データセンターへのパスを定義するフォルダの構造。フィルタリングの基準にするデータセンター名が環境で一意でない場合にこのオプションを使います。 |
はい |
datastore |
データストアの名前。 |
はい |
displayName |
VM の表示名。 |
はい |
host |
ESXi Server の名前。ESXi ホスト名は vCenter Server で定義された名前と一致する必要があります。 |
いいえ |
dnsName |
vSphere Client の VM の DNS 名。 |
いいえ |
guestOS |
vSphere Client に記録される VM のゲスト OS の種類。 |
はい |
hostName |
IP アドレスの逆引きから導かれる VM 名。 |
いいえ |
instanceUuid |
VM のインスタンス UUID。 例: |
いいえ |
networkName |
ネットワークスイッチ (ESX Server 上) または分散スイッチの名前。 |
いいえ |
powerState |
VM の電源状態。 |
いいえ |
tag |
VM のタグの名前。 |
はい |
template |
VM が仮想マシンテンプレートかどうかを示します。 |
いいえ |
version |
仮想マシンの VMware バージョン。例: vmx-04、vmx-07、vmx-08。 |
はい |
vmFolder |
VM フォルダ (データセンター内の) の名前。VM が格納されているフォルダのパスも含みます。 VMFolder の例を参照してください。 |
いいえ |
vmxDatastore |
VMX データストアの名前 (VMX ディレクトリや構成データストアと呼ばれることもあります)。 |
はい |
vmxDatastoreType |
VMX データストアの形式。値は NFS または VMFS です。 |
いいえ |
表: 問い合わせ演算子
演算子 |
説明 |
---|---|
Starts with |
文字列の先頭に値が出現する場合に一致します。 たとえば、入力した値が「 |
Ends with |
文字列の末尾に値が出現する場合に一致します。 たとえば、入力した値が「 |
Contains |
入力した値が文字列のどこにある場合でも一致します。 たとえば、入力した値が「 |
= |
入力した値にのみ一致します。 たとえば、入力した値が「 |
!= |
入力した値と等しくない任意の値と一致します。 |
この例の問い合わせは、表示名に prod
が含まれるすべての VM をグループに追加します。
問い合わせの効果を変更するには、[条件 (Condition)]をクリックし、[AND]または[OR]をクリックして、条件のキーワード、演算子、値を選択します。例:
この例では、AND を使用して問い合わせの範囲を絞り込みます。表示名に prod
が含まれ、eng
という名前のタグを持つ VM のみが選択されます。VM の表示名に prod
が含まれず、eng
という名前のタグがない場合、その VM はグループに追加されません。
問い合わせの範囲を広げるには、[OR]を使用します。
この例では、[OR]が設定されているため、問い合わせでグループに次の VM が追加されます。
表示名に
prod
が含まれる VM (タグに関係なく)。eng
という名前のタグを持つ VM (表示名に関係なく)。
必要に応じて、条件にサブクエリーを追加することもできます。[サブクエリー (Sub-query)]をクリックし、[AND]または[OR]をクリックしてから、サブクエリーの条件のキーワード、演算子、値を選択します。例:
この例では、サブクエリーを使用して問い合わせの範囲をさらに絞り込みます。表示名に prod
を含み、eng
という名前のタグを持つ VM のうち、clust
で始まるクラスタに含まれている VM のみが選択されます。
たとえば、次の VM フォルダに合計で 65 個の VM が含まれていると想定します。
vm\VM_backup_prod1
(5 個の VM を含む)
vm\VM_backup_prod1\cluster1
(10 個の VM を含む)
vm\VM_backup_prod2
(50 個の VM を含む)
vm\VM_backup_prod1
の VM を含め、cluster1
またはその他のフォルダの VM は除外する場合は、次のように指定します。
VMFolder Equal "vm\VM_backup_prod1"
vm\VM_backup_prod1
の VM とそのサブフォルダ cluster1
を含めるには、次のように指定します。
VMFolder Equal "vm\VM_backup_prod1"
または
VMFolder StartsWith "vm\VM_backup_prod1"
注意: 最初のバックスラッシュは、続くバックスラッシュがリテラル文字として解釈されるようにするためのエスケープ文字です。
65 個のすべての VM を含めるには、VMFolder StartsWith "vm\VM_backup_prod" のように指定します。
注意: vm\VM_backup_prod
で始まるパス内にあるすべての VM が含められます。