NetBackup™ 管理者ガイド Vol. 1

バックアップに関する推奨事項:

• 合成対象のバックアップの多重化は効率的でないため、行わないでください。多重化されたクライアントイメージを合成するには、ソースメディアを複数回 (クライアントごとに 1 回) 読み込む必要があります。

  合成バックアップに複数のストリームを選択した場合、パフォーマンスに関する問題も発生することがあります。この問題は、合成バックアップを多重化する場合に発生する問題と類似しています。複数ストリームのパフォーマンスに関する問題を改善するため、可能なかぎりディスクにバックアップを行ってください。

• アクセラレータまたは合成バックアップのいずれかの SLP と共に使用されるあらゆるストレージユニットに対して、［コピー後に期限切れにする (Expire after copy)］の保持を有効にしないことをお勧めします。［コピー後に期限切れにする (Expire after copy)］の保持を指定することにより、バックアップの実行中にイメージが期限切れになることがあります。新しい完全バックアップを合成するには、SLP バックアップで以前のバックアップイメージが必要になります。以前のイメージがバックアップの間に期限切れになった場合、バックアップは失敗します。

• 最後の増分バックアップと合成バックアップ間の期間を短縮します。合成バックアップではクライアントと直接作用しないため、合成バックアップは、最後の増分バックアップの時点のイメージとなります。これが問題になる場合、バックアップの対象となる期間の差を短縮するために、合成バックアップの前に増分バックアップを実行します。

• 複数コピー合成バックアップ方式を使って合成バックアップによる複数コピーを作成できます。

  合成バックアップではストレージライフサイクルポリシーを使うことができますが、複数コピー合成バックアップ方法では SLP を使うことができません。

  複数コピー合成バックアップ方式を使用する場合を参照してください。

• いずれかのコンポーネントイメージが暗号化されている場合、合成バックアップはサポートされません。

• ユーザーによって生成されたバックアップを使用して、合成イメージを生成することはできません。ユーザーバックアップスケジュールまたはユーザーアーカイブスケジュールで生成されたバックアップは、合成バックアップのコンポーネントとして使用できません。

• 合成バックアップおよび最適化された合成バックアップは自動イメージレプリケーションをサポートしません。

リストアに関する推奨事項:

• 合成バックアップからのリストアの実行に必要な時間は、時間の経過とともに大幅に増加することはありません。

• 合成バックアップ全体のリストア時間および 1 つのファイルのリストア時間は、同じです。この時間は、従来のバックアップと合成バックアップのどちらからリストアする場合でも同じです。

• 1 つのディレクトリのリストア時間は、合成バックアップからリストアする場合、時間の経過とともに増加する場合があります。リストア時間は、そのディレクトリ内のファイル変更のパターンに依存します。

• 従来の完全バックアップ (ファイルシステムの順にファイルを格納) と合成完全バックアップ (最後にアクセスされた順にファイルを格納) を比較すると、次のような違いがあります。合成完全バックアップでは、最新のファイルがメディアの先頭に配置され、変更されていないファイルは最後に配置されます。そのため、時間が経過すると、処理順序により、合成完全バックアップイメージ内で 1 つのディレクトリのフラグメンテーションが発生する場合があります。

• この例は、1 つのディレクトリのリストアの場合だけに適用されます。合成完全バックアップからの 1 つのファイルのリストアおよび完全イメージのリストアは、前述の項目に示したように、従来の完全バックアップからのリストアと同じ時間、またはそれより短い時間で済みます。

• ポリシーで「チェックポイントから再開」機能を指定していても、合成バックアップスケジュールを使用して生成されたバックアップにはチェックポイントが設定されません。「チェックポイントから再開」機能は、ポリシーの［属性 (Attributes)］タブの［チェックポイントの間隔 (Take checkpoints every)］設定が有効な場合に、有効になります。合成バックアップで［チェックポイントの間隔 (Take checkpoints every)］オプションを有効に設定しても、このプロパティは無効です。