Enterprise Vault™ Compliance Accelerator 管理者ガイド
- Compliance Accelerator の概要
- Compliance Accelerator クライアントの概要
- 従業員と従業員グループの設定
- 部門を使った操作
- アイテムの検索
- Compliance Accelerator を使った検索について
- Compliance Accelerator 検索スケジュールの作成
- ホットワードを使用したアイテムの検索
- 手動によるアイテムのレビュー
- Compliance Accelerator を使ったレビューについて
- アイテムのエスカレーション
- リサーチフォルダを使った作業
- アイテムのエクスポート
- レポートの作成と表示
- 利用可能な Compliance Accelerator のレポート
- OData Web サービスを使った Compliance Accelerator データセットの表示について
- 付録 A. Compliance Accelerator のカスタマイズ
- 付録 B. XML ファイルからの設定データのインポート
- 付録 C. トラブルシューティング
- Compliance Accelerator のレポートに関する問題
部門の作成
Compliance Accelerator では、監視対象従業員を企業の構造を反映した部門に体系化できます。新しいトップレベルの部門や入れ子の部門 (既存部門の子部門) を追加できます。
部門の作成に最小限必要な情報は、部門の名前と所有者です。システムに追加されたすべての従業員が所有者になることができますが、通常は、Compliance Accelerator のメインシステム管理者を所有者にします。
新しい部門を追加するには、部門作成権限が必要です。デフォルトでは、アプリケーションのアプリケーションユーザー管理者ロールを持つユーザーにこの権限が割り当てられます。
部門を作成する方法
- Compliance Accelerator クライアントの[部門]タブをクリックします。
- 左の[部門]のペインで、次のいずれかの操作をします。
トップレベルの部門を作成するには、ウィンドウの先頭で[すべての部門]をクリックし、次に[新規部門]をクリックします。
既存の部門の子供である部門を作成するには、その部門をクリックし、次に[プロパティ]タブをクリックします。それから、ウィンドウの先頭で[ここに新規部門を挿入]をクリックします。
Compliance Accelerator によって大量の部門が一覧表示される場合は、ペインの上部のフィールドを使って一覧をフィルタ処理できます。部門を名前でフィルタ処理することと同様、それらと関連付けされる例外従業員、フォルダ、レビューアを一覧表示するかどうかを選択できます。
[部門]ペインが表示されます。
- [名前]のフィールドで、部門の重複しない名前を入力します。
名前にはスペースや非 ASCII 文字を使えます。
- [状態]のフィールドで、部門をオープンするかクローズするかを選択します。
[クローズ]を選択すれば、部門の従業員の監視は行われず、部門名はアプリケーションのスタートのページに表示されません。ただし、従業員が他の部門でも監視されている場合、該当する部門での監視は引き続き行われます。
- [所有者]フィールドで、部門の主任管理者の表示名と Windows ユーザーアカウントを選択します。
各部門には所有者が存在します。所有者には Windows ログオンが必要ですが、Windows や Compliance Accelerator の特別な権限は必要ありません。デフォルトでは、Compliance Accelerator はユーザー管理者ロールに関連する権限を部門の所有者に付与します。該当する権限は次のとおりです。
ユーザーアクセス付与
監視対象従業員追加
部門プロパティ設定
レポート表示
- 既存の部門の子供である入れ子の部門を作成する場合は、[親部門]フィールドに正しい部門が表示されていることを確認します。
- 1つ以上の部門属性を設定したら、[識別情報属性]セクションに必須属性の値を入力します。
- [オプション]セクションの次のオプションを選択またはクリアします。
部門を含めることが可能
この部門の下で入れ子の部門を作成できるかどうか指定します。
監視対象従業員を含めることが可能
この部門に監視対象従業員を追加できるかどうか指定します。トップレベルの部門には監視対象従業員が含まれていないが、入れ子の部門には含まれている部門階層を設定する必要がある場合は、このオプションをクリアすることもできます。
- [エクスポートの詳細]セクションでは、オフラインレビューのためにアイテムをエクスポートするときに使うデフォルトオプションを指定します。 オプションは次のとおりです。
アイテム ID の桁数
各アイテムのエクスポート番号の桁数を指定します。デフォルトは 6 です。
アイテム ID の接頭辞
各アイテムのエクスポート番号の接頭辞として使うテキストを指定します。エクスポートを識別する文字は、法令または企業内命名規則に従った設定が必要になる場合があります。
例を表示
完全な ID のプレビューを表示します。
出力フォルダ
エクスポートされたアイテムを格納する Compliance Accelerator サーバー上のフォルダを指定します。
アイテムを別のコンピュータにエクスポートするには、共有フォルダの UNC パス (
¥¥my_computer¥exports
など) を指定します。ただし、個人用 (.pst
) のファイルとしてアイテムをエクスポートする場合は NTFS のパス (たとえば、Z:¥exports
) を指定すること推奨します。Windows は UNC パスでの.pst
ファイルのエクスポートをサポートしません。フォルダパスには最大 100 文字まで入力できます。
- [検索の詳細情報]セクションでは、部門レビューセットに検索の結果を追加するときに Compliance Accelerator が従わなければならないポリシーを指定します。 オプションは次のとおりです。
新規検索のデフォルトのサンプル割合
検索結果としてレビューセットに追加されるアイテムの最小割合を指定します。検索の作成時に、従業員ごとのアイテムの最小数を指定することにより、さらにこのオプションの範囲を制限することができます。
ロック
部門管理者は新しい検索でのサンプルレートを変更できなくなります。
検索可能なボルトストア
部門での検索に利用可能なアーカイブがあるボルトストアを選択できます。部門管理者は、必要な権限がある場合に、自分の部門で検索に使えるアーカイブの一覧をカスタマイズできます。
- [インテリジェントレビュー]セクションで、Compliance Accelerator の学習エンジンのオプションを選択します。 このエンジンにより、Compliance Accelerator はレビューアが以前のアイテムに実行したアクションに基づいてアイテムのサンプリングと検索をインテリジェントに行うことができます。 たとえば、レビューアがスパムメッセージまたはオフィス不在の応答を関連なしのアイテムとしてマークを付けると、Compliance Accelerator は同様の特性を持つアイテムを検出したときにそれらのアイテムを同じ方法で処理できます。
Compliance Accelerator はアイテムの関連性を判別するためにアイテムのメタデータと送信者から受信者への経路を調べます。 ただし、Compliance Accelerator はアイテムの内容を評価しません。
サンプリングの学習動作
このオプションを利用できるかどうかは、デフォルトのサンプリングモードである保証されたサンプリングまたは統計サンプリングを使うかに基づきます。
[なし]。 Compliance Accelerator は、インテリジェントレビューを実装せずに、通常の方法でアイテムをサンプリングします。
[サンプル抽出の割合と優先順位付け](保証されたサンプリング)または[サンプル統計の割合と優先順位付け](統計サンプリング) Compliance Accelerator は、関連ありと関連なしの両方のアイテムをいずれかを優先することなくサンプリングします。 したがって、10% のアイテムをキャプチャして、レビューすることを要求するポリシーを監視する場合は、Compliance Accelerator は 10% をキャプチャしますが、相当な数のアイテムが関連なしとなる可能性があります。 しかし、このオプションを使うと、Compliance Accelerator はアイテムをレビューセットに追加するときにそのアイテムに対して[未レビュー(関連なし)]または[未レビュー(関連あり)]のいずれかのステータスを付与します。 後で[レビュー]ペインでアイテムをレビューするときに、[未レビュー]ステータスを使ってアイテムをフィルタリングして、関連ありと関連なしを区別できます。
現在のサンプルに加えて、関連するコンテンツのサンプル抽出の割合(保証されたサンプリングのみ) Compliance Accelerator は、要求された割合の関連ありのアイテムをキャプチャするまで、関連ありと関連なしの両方のアイテムをレビューセットに追加します。 したがって、このオプションでは、監視対象のポリシーが要求するよりも多くのアイテムが Compliance Accelerator によってキャプチャされる場合があります。 たとえば、10% のアイテムをレビューすることを要求するポリシーがあるとします。 この要求数に達するには、半数のみが関連ありのアイテムであるため、20% のアイテムをキャプチャしなければならない場合があります。
[利用可能な関連するコンテンツのサンプル抽出の割合](保証されたサンプリング)または[関連するコンテンツのみのサンプル統計の割合](統計サンプリング) Compliance Accelerator は、関連なしと考慮されるすべての内容を破棄して、要求された割合に達するまで関連ありの内容のみをサンプリングします。 したがって、アイテムの 10% をキャプチャして、レビューすることを要求するポリシーを監視する場合は、Compliance Accelerator は正確に 10% をキャプチャします。
保証されたサンプリングのみの場合は、Compliance Accelerator は監視対象のポリシーの要求を満たすには関連ありのアイテムが少なすぎるときに関連なしのアイテムで補充します。 たとえば、サンプリングに 100 のアイテムが利用可能である場合に、監視対象のポリシーがそれらの 10% をキャプチャすることを要求していると想定します。 7 個のアイテムのみが関連ありである場合は、Compliance Accelerator は関連なしのアイテムを 3 個追加して、10 個のアイテムの要求を満たします。 統計サンプリングモードでは、Compliance Accelerator は関連なしのアイテムで関連ありのアイテムを補充しません。
適合のしきい値
Compliance Accelerator でアイテムを未レビュー (関連なし) の状態にする前に予測精度に対して求められる信頼度のレベルを指定します。スライダを右側に移動すればするほど、Compliance Accelerator では予測精度に対してより高い信頼度が求められます。
次のグラフは、スライダの位置とアイテムが達成する必要がある適合のしきい値の関係を示しています。
たとえば、アイテムが潜在的に関連性がないアイテムとして Compliance Accelerator によって識別されたとします。 スライダを左端に移動すると、Compliance Accelerator はそのアイテムを関連なしの状態にするために予測精度の信頼度が求められません。その一方で、スライダを右端に移動すると、Compliance Accelerator はこの状態にするために予測精度の信頼度が少なくとも 60% 必要になります。
デフォルトのスライダ値は中間値をわずかに下回ります (赤い線)。これは、Compliance Accelerator が関連なしの状態にするために 20% 以上の予測精度の信頼度が必要であることを意味します。 このスコアに達することのできないアイテムは、[未レビュー(関連あり)]のステータスが割り当てられます。
学習を消去
この部門の蓄積された学習動作をすべて破棄します。
- [監視]タブで、各従業員のアイテムをランダムにサンプリングして毎日レビューセットに追加する全般的なポリシーを設定します。
オプションは次のとおりです。
この部門のすべての従業員の監視を無効化
部門の従業員すべての監視を停止するかどうかを指定します。 レビューアと部門管理者は引き続き部門にアクセスできます。従業員が他の部門でも監視されている場合、該当する部門での監視は引き続き行われます。
このオプションを選択する場合、[監視]タブの他のすべてのオプションを無効にします。
すべてのポリシーのレビュー必要条件
選択した場合はすべての種類のアイテムに同じ監視ポリシーを設定します。 たとえば、すべての種類のアイテムから 75% キャプチャしてレビューする必要がある場合はこのオプションを 75 に設定します。
以前に各種のアイテムに異なる監視ポリシーを設定した場合は、このオプションを選択するとそれらすべてに最も高い割合を適用します。
ポリシーごとのレビュー必要条件
選択した場合は各種のアイテムに異なる監視ポリシーを設定できます。
この部門のメッセージの総数に上限を設定する
Compliance Accelerator がキャプチャして部門のレビューセットに追加するランダムサンプルアイテムの数に制限を設定できます。 各種類のアイテムに総数または制限数を設定できます。
上限の設定は、統計的サンプリングモードでキャプチャするランダムサンプルアイテムにのみ適用されます。 次のアイテムには適用されません。
保証サンプリングモードでキャプチャするランダムサンプルアイテム。
検索を行なうと見つかるアイテム。
ポリシー管理ソフトウェアが「含める」にタグ付けしたレビューセットのアイテム。
規定上、各従業員のアイテムのうち一定の割合の数を監視する必要がある場合は、部門の合計メッセージ数に上限を設定するとこの必要条件を満たせない場合があります。
メッセージの種類、レビューの必要条件、上限設定
アイテムの種類ごとに、各従業員のアイテムのうちキャプチャしてレビューセットに追加する数量を割合で指定します。使わないアイテムの種類に対しては、0 を入力します。
Microsoft Exchange、SMTP、Domino、Fax のアイテムには、次の種類があります。
[内部]。作成者とすべての受信者が組織内部の人間であるアイテムを選択します。
[外部インバウンド]。作成者が組織外部の人間で、受信者のうち少なくとも 1 人が組織内部の人間であるアイテムを選択します。
[外部アウトバウンド]。作成者が組織内部の人間で、受信者のうち少なくとも 1 人が組織外部の人間であるアイテムを選択します。
部門レベルのほか、従業員レベルとグループレベルで監視ポリシーを設定できます。したがって、ここに示されている値は何人かの従業員には適用されないことがあります。その場合、Compliance Accelerator はアイテムの種類ごとに最も高い割合を適用します。従業員レベルまたはグループレベルで値を設定するには、[監視対象従業員]機能を使います。
- [保存]をクリックします。