Cluster Server 7.4.3 管理者ガイド - Linux

異なるバージョンの VCS エンジンを使用したクラスタのフォーメーションについて

InfoScale Availability のクラスタサーバーコンポーネント (VCS) では、クラスタ内のすべてのノードで、高可用性デーモン (HAD) とも呼ばれる、同じバージョンの VCS エンジンを実行する必要があります。各ノードで、HAD は RSM (Replicated State Machine) として動作しています。これは、クラスタを形成するすべてのノードのクラスタ設定が同期状態であることを意味します。InfoScale はクラスタ内のノードのローリングアップグレードをサポートしますが、この処理には VCS エンジンの停止時間が含まれる場合があります。したがって、VCS のアップグレードには 2 フェーズのプロセスがあります。最初のフェーズでは、インストーラはカーネルファイルセットをアップグレードします。2 番目のフェーズでは、インストーラは VCS と VCS agent ファイルセットをアップグレードします。

InfoScale (バージョン 7.4.2 以降) では、異なるバージョンの VCS エンジンを実行するノードでクラスタを形成できます。これは、次を可能にするフレームワークを提供することによって行われます。

クラスタプロトコル番号の概念が導入され、特定の VCS バージョンを実行するノードがクラスタの一部になるかどうかを決定します。サポート対象のクラスタプロトコル番号を保存するために、システムレベルの内部属性である SupportedProtocol が提供されます。

クラスタ内の各ノードでサポート対象のクラスタプロトコル番号を識別するには、次の commend を実行します。

# haclus -version -info

現在、クラスタによって使用されているプロトコル番号を識別するには、次のコマンドを実行します。

# haclus -value ProtocolNumber

クラスタが異なるバージョンの VCS エンジンで形成されている場合、サポート対象の最も低いクラスタプロトコル番号が、すべてのノードで RSM を維持するために使用されます。サポート対象のクラスタプロトコル番号を使用すると、起動、スナップショットの交換、グループのフェールオーバーなどの操作中に、クラスタノード間で一貫した動作が保証されます。VCS エンジンがクラスタに追加されている新しいノードの SupportedProtocol と互換性がない場合、クラスタは新しいノードを受け入れず、RSM の状態を維持しません。

ノードを既存のクラスタに追加するには、サポート対象の最小のクラスタプロトコル番号を使用して VCS エンジンを実行する必要があります。